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J's laboratory 2

ハロプロをフットボールに脳内変換してひたすら分析するブログです。

モーニング娘。'17 コンサートツアー春~THE INSPIRATION!~のプレビュー

考察

いよいよ3月18日の開幕が目前に迫ってきたということで今回はツアーのプレビューとして個人的な注目ポイントを書いていきたいと思います。ツアー自体の、というよりはこれからしばらくの間みたいな感覚ですが。


結成20周年、新時代の礎を築けるか。

モーニング娘。にとって今年はグループ結成20周年というアニバーサリーイヤーである。現役メンバーの半数以上が1999年から2002年、俗に言われるチームの"黄金期"に生まれているという事実には隔世の感を禁じ得ないと同時にその歴史の深さを痛烈に感じさせる。現在のモーニング娘。は13人体制で活動しており9期メンバーの譜久村聖生田衣梨奈、10期メンバーの飯窪春菜石田亜佑美佐藤優樹工藤遥、11期メンバーの小田さくら、12期メンバーの尾形春水野中美希牧野真莉愛羽賀朱音、そして昨年12月に加入したばかりの加賀楓と横山玲奈の13期メンバーという陣容になっている。加入と卒業を繰り返していくチームの伝統ゆえに致し方ない面はあるが2014年の道重さゆみ、2015年の鞘師里保、そして昨年には鈴木香音が相次いで卒業。いずれのメンバーもリーダー、エース、ムードメーカーとしての働きが際立っていたチームのセンターラインとも表現出来る人材でありダメージはもちろん小さくない。しかし多くの経験を積んで円熟味を増してきた9・10・11期、チームにもフィットし各々の分野で存在感を示し始めた12期、大型新人との評判高い13期コンビとピースは揃った印象もある。すぐさま黄金期や道重リーダー期のような完成度を求めるのは時期尚早だが、そう遠くない未来に再び後世に語り継がれる偉大な時代を築ける可能性は十分に秘めていると考える。間もなく幕を開けるこのツアーをその礎と出来るかが焦点になってくるはずだ。


ツアーの注目ポイント

最大の注目はやはり初のツアー参加となる13期メンバーの2人に集まるだろう。4年という長い下積み期間を経て念願のデビューを掴んだ加賀と研修生加入から僅か3ヶ月でのスピード昇格となった横山というコントラスト、またそれぞれの持ち味は相反する点が多いもののそれがコンビとしての補完性の高さに繋がっており彼女達への期待値は日に日に増している印象だ。ポジジョン的には加賀が鈴木、横山が鞘師と重なるがメンタリティーではその逆とも判断出来ることから両者の総合力で鞘師と鈴木の穴を埋めるような存在への飛躍が望ましい。
また腰椎椎間板ヘルニアの為に戦線離脱していた佐藤が本ツアーから復帰することが決定したのも大きなニュースだ。パフォーマンス面だけでなくチームの調和を左右する意味でもカギを握るこの天才が戻ることでいよいよ本格始動する13人体制でのモーニング娘。'17がどのような表情を見せるのか。
その佐藤も含めた近年チームの主力となっている5人(譜久村、石田、佐藤、工藤、小田)に追随していくメンバーは誰になるのか。飛ぶ鳥を落とす勢いの牧野を筆頭に熾烈なアピール合戦が展開されるのは間違いない。


戦術的にも大きな改革の波が・・・

さて、ここからはいつもの調子でもう少し深くチームの構造について語っていきたい。これまでに何度も書いてきているように現在のモーニング娘。は4-2-3-1を基本システムとして採用している。まだ佐藤が入った完全な状態のチームを見ていない現状では予想の域を出ないが、最近のモーニング娘。からはシステム変更の兆しが伺える。その根拠として大きいのは野中と牧野の12期コンビが仕掛け/崩しの局面において不可欠な存在へと成長していること、もう1点は小田の主に攻撃面における役割の変化にある。個人によるドリブル突破やオフ・ザ・ボールでの飛び出しなど自らのアクションで状況の打破を目指すプレーにおいて強烈なアピールを続けているのが野中と牧野だ。牧野に関しては元来より持ち合わせているストロングポイントであり、昨年のセンター起用などからも一定の評価を勝ち得ていることは明白だろう。圧倒的なスピードと明確な自分の形を持った仕掛けは大きな武器だ。野中は13期加入が刺激になったのか独力で仕掛ける頻度が増え、フィジカル面でも着実な進歩を見せている途上だ。スペースへの嗅覚も優れているためオフ・ザ・ボールでも脅威となる。この二人の存在は全体のパワーバランスを変えそうでこれまでは野中が左サイドバック、牧野が左サイドアタッカーと同サイドでの起用がメインだったが両者の局面打開力を最大限に発揮させるためには左右のサイドに分けて配置することが多くなるかもしれない。これはもう一つの根拠として挙げた小田の役割とも密接に関わってくる。最近の小田の振る舞いを見ていると昨年、とりわけ鈴木が卒業するまでと比較するとポジショニングが低くなっている傾向がある。例えばサイドの高い位置に張ってビルドアップ隊(主に石田)からのロングボールに抜け出すような場面は明らかに少なくなった。鈴木が抜けたことによってDFラインの強度が低下したことや、小田自身のビルドアップ局面での技術向上もあってサイドバックというよりもCBとしての色が濃くなってきている。守備面での安定感はもちろん攻撃面でもビルドアップの基点として機能する小田の存在感は絶大だ。モーニング娘。の右サイドはサイドバックの小田とサイドアタッカーの譜久村で長らく不動のポジションだったが、この2点によって変わってきそうな気配だ。譜久村も本来は中央寄り(セカンドトップ)がベストポジションのメンバーなのでこの変化はポジティブに捉えられる。

・従来の4-2-3-1

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・新型の3-4-2-1?

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牧野と野中が評価を高める一方でやや遅れを取った印象の尾形と羽賀も虎視眈々と下克上を狙う。尾形はポジジョンの重なる飯窪と石田がチームの戦術的な要として不動の地位を築いているため、厳しい争いを強いられている。連動した組織の中でプレーするよりも、ある程度タクトを握らせた方が個性を発揮出来るタイプのMFであるという事情も苦戦の理由の一つだろう。味方を使う意識や背後のカバーを信頼して飛び出していくなどプレーの幅を身に付けることが出来れば個人能力は低くないため躍進への道も開けるはずだ。タイプ的にはアスリート型の石田よりもテクニシャン型の飯窪との対比がしやすいが、メンバーからの信頼性や経験で上回る飯窪は高い壁となるだろう。羽賀は加入当初は絶対的なエースとして君臨していた鞘師、現在は新メンバーの横山(あるいは牧野)とのポジジョン争いを展開するCFだ。積極的なアクションで中央に留まることなくボールに関与するタイプの牧野と横山に対して、羽賀は基準点型のストライカーだ。そのため棲み分けは出来ているので尾形と違い本人次第の部分が大きい。懐の深いキープからのポストプレーや、得点への嗅覚などといった能力ではライバルにも引けを取らない。年齢的にもまだ伸びしろを多く残すが限られた機会を最大限に活かすべくコンディション面も含めたしっかりとした準備が必要になってくるだろう。

9・10・11期の先輩グループでは個人的には生田に注目している。リスクを恐れずに1対1を仕掛ける役割は道重リーダー期までは生田の専売特許(ある意味では鈴木もだが)であった。ただ前述のように野中と牧野という新鋭が出てきたこともあって、そういったプレーが生田に求められる頻度は減少傾向にある。とは言え生田も充実度を増しており今年20歳を迎えるというアイドルのピーク(技術よりも素質の部分で)に差し掛かりつつある。かつての攻撃性を取り戻して野中と牧野に真っ向から勝負するか、あるいは仕掛け以外の面でもチームに貢献する多様性を身に付けるかというプレースタイルの岐路に立っている。

システム変更によってCFの背後(セカンドトップ)に定着しそうな譜久村と工藤だが、4-2-3-1時からライン間でのプレータイムが多かった二人だけに大きく役割が変わることはなさそうだ。今や押しも押されもしないチームの大黒柱へと成長した譜久村はサイドでの仕事が減って中央での仕事が増えればより得点へと直結するプレーが増えそうだ。CFをサポートしながら工藤や石田とのコンビネーションによる崩しはイメージしやすい。工藤は4-2-3-1のトップ下ではポゼッションを高めるためにポジジョンを下りることが多かったが3バック導入で攻撃の最終局面での関与が要求される。後方から楔の縦パスをライン間ポジショニングで引き出し、ラストパスやサイドへの展開で動きを付ける。ストライカー勢(譜久村、牧野、羽賀、横山)との相性の良さも随所に感じさせるので注視したい。


あとがき
13期が入る前からその兆候はあったけどなんかコンテのチェルシーみたいになってきているなと感じている今日この頃。牧野のウイングバック起用もそうだし3バックはかなりの冒険だけど小田、加賀、佐藤なら上手くやれそうでもあるので楽しみである。ある程度3CBが形になれば飯窪と石田(または尾形)の攻撃への比重が高まり多彩な崩しも実現出来そう。ちょっと綺麗にやり過ぎてるなと感じてる部分もあったのでいい意味でハチャメチャになればなと。

つばきファクトリーのFirst Impression

分析

いよいよメジャーデビューを果たしたというタイミングでもあるので今回はつばきファクトリーについて分析していきたいと思います。まだ判断材料が少ないので予測も含まれますがやってみましょう。


基本システムと配置

2015年4月に小片リサ山岸理子新沼希空、谷本安美、岸本ゆめの浅倉樹々の6人で結成されたつばきファクトリー。2016年8月に小野瑞歩、小野田紗栞、秋山眞緒の3人が新メンバーとして加入し9人体制となったことに伴い谷本が左サイドハーフ、小片が左サイドバックにそれぞれポジションを1列下げる形になったもののシステムはオーソドックスな4-4-2を継続している。なお、9人のためCBを1枚削った図のような配置が基本になっている。

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4-4-2というシステムを採用しているのは現在のハロプロでは唯一、というか過去を遡ってみても記憶にない珍しい布陣である。トップ下を置く4-3-1-2が近年のハロプロで流行しているということは何度かこのブログでも言及してきたけど、つばきファクトリーにはトップ下タイプが存在しない。その代わりに優秀なサイド適性のメンバーが揃っているというのは時代に逆行しているようで興味深いチームになっている。ただ、構造を見ていくと他ユニットのエッセンスを随所に感じられる部分もある。つまりはシステムや配置は重要ではないという元も子もない結論になるのだけど。


ビルドアップスタイル

つばきファクトリーのメンバーにはトップ下の他に明確な司令塔タイプのメンバーも見当たらない。そもそもチームとしてもボールを保持する、ポゼッションするという意識はそこまで高くないというか重要視していないように映る。そのため個人に依存するよりも素早くサイドに展開してからのサイドアタックを基調としながら2トップの得点力を活かすなど前線のプレー機会を増やすことを優先しているように感じる。こういったコンセプトそのものは今のハロプロだとアンジュルムに少し近いものがある。

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基本的なビルドアップの形は3-2、前線は4トップのように変化する。攻撃の基点となるのは右セントラルMFの山岸と左サイドバックの小片というリーダー、サブリーダーコンビ。積極的な攻撃参加が特長である右サイドバックの秋山が空けたスペースに山岸が下りる、山岸が空けたスペースには右サイドハーフの岸本が入ってくる。このサイドバックセントラルMFサイドハーフによるポジションチェンジはモーニング娘。小田さくら石田亜佑美譜久村聖のトリオも頻繫に行っていた。モーニング娘。も新メンバーが加入して個々の役割や配置の変化があるかもしれないので過去形にしておく。ただあくまでも動かし方が同じだけであってつばきファクトリーの3人とモーニング娘。の3人は全くタイプは違うけども。高めの位置に張り出す秋山とは対称的に左サイドバックの小片はそこまで攻撃的なポジショニングは取らない。基本配置における中央の3枚(小野、山岸、新沼)はビルドアップ能力がそれほど高くないこと、前方の谷本が守備面にやや難があることを考慮すると低めの位置で組み立てに関わりながら同時に守備のリスク管理も出来るというこの役割がベターと言える。ちなみに片方のサイドバックを上げてもう一方のサイドバックは低めの位置やセントラルMFのエリアに入るスタイルもモーニング娘。アンジュルムこぶしファクトリーでも見られるトレンドである。ビルドアップのメインは小野も含めた3枚のCBで回しながら両脇のCB(山岸、小片)から外(秋山、谷本)か内(岸本、新沼)の二択で敵サイドハーフに迫る。また、前線へのロングボールも選択肢に含まれる。狙いは主に小野田か谷本であることが多い。


メンバー個々の雑感
山岸理子(1998年11月24日生まれ) 対応ポジション:セントラルMF、CB
フィジカル能力に秀でチームの安定に貢献しながら、独特なリズムを刻むパスで基点にもなるリーダー。攻撃的とも守備的とも分類しにくいタイプなので4-4-2のセントラルMFは合ってるかもしれない。この先の展開次第ではCBへの配置転換もあり得そう。

小片リサ(1998年11月5日生まれ) 対応ポジション:サイドバックサイドハーフセントラルMF、CB
こぶしファクトリー広瀬彩海井上玲音と同じくこんな掘り出し物がいたのかという印象。サイドでも中央でもプレー可能で、技術もある。個人としてのタイプ的には全然似てないけどチーム内で担っている役割の重さは℃-uteにおける岡井千聖に近い。

新沼希空(1999年10月20日生まれ) 対応ポジション:セントラルMFサイドハーフ
山岸と同様にカテゴライズは非常に悩むセントラルMF。基礎はしっかりしてるので現段階でチームでの立ち位置が明確には見えないのもポテンシャルとしてポジティブに考えれば問題ないと思う。こぶしファクトリー和田桜子にも同じことが言えるけど。

・谷本安美(1999年11月16日生まれ) 対応ポジション:セカンドトップサイドハーフ、CF、ウイング
6人時代は浅倉と2トップを形成していたが小野田の加入でサイドハーフに。スピードと局面打開力に優れているのでサイド向きかも。右で作って左で仕留める形が増えそうなのでFW仕事もこなせるのは貴重。モーニング娘。での牧野真莉愛の仕事みたいな。

岸本ゆめの(2000年4月1日生まれ) 対応ポジション:サイドハーフセントラルMFサイドバック
年始の注目メンバーにも挙げたように個人的にはキーパーソン。小片と同じくポジションを問わない戦術的柔軟性を備えている。ポジショニングやパスでチームの機能性を上げるだけでなく、個人で仕掛けることも出来る万能型で期待値は相当に高い。

浅倉樹々(2000年9月3日生まれ) 対応ポジション:CF
典型的なボックスストライカー、いわゆる9番タイプである。6人体制だと依存度が高まりそうだと心配していたけど小野田の加入でそれも解消されそうで安心した。個々としても着実にレベルアップしているのでエースとして頑張ってもらいたい。

・小野瑞歩(2000年9月29日生まれ) 対応ポジション:CB、セントラルMF
山岸と新沼のセントラルMFコンビの後方でプレーするCBと現段階では見ているけど、山岸とどちらがCB向きなのかは正直まだ判断が完全には付いていない。ビルドアップや守備面でどちらか存在感を示すのかによって変わってきそうなポイント。

・小野田紗栞(2001年12月17日生まれ) 対応ポジション:セカンドトップ、CF、サイドハーフ
チームにとって彼女の加入はとても大きかったと思う。個人のクオリティーの高さはもちろんだけど浅倉と谷本の良さを消さずに共存して、幅広い仕事も出来るFW。トップ下がいないチームだけにそのエリアに出てこないかなと期待している。

・秋山眞緒(2002年7月29日生まれ) 対応ポジション:サイドバックサイドハーフ
身体能力が高く、果敢なオーバーラップが持ち味の新星。ちょっと元アンジュルム田村芽実を彷彿とさせるサイド型で、早くも重要なポジションをチーム内で得ていることからも才能の豊かさが窺い知れる。年齢からしてもスター候補生と言える。


ひとりごと
とりあえず現時点ではこのぐらいの印象です。チームとしての設計や今後のポテンシャルでは個人的にはこぶしファクトリーよりも上です。個々のレベル(特に主力)はこぶしの方が高そうだけども。この9人のままで行ければなかなか楽しい将来になりそうです。

℃-uteと嗣永桃子の後継者候補を探してみよう

考察

気が付けばあっという間に2月も半ばになってハロプロキッズ時代の終わりも刻一刻と近付いてきました。というわけでそろそろ℃-ute嗣永桃子、6人の後継者候補をそれぞれ考えてみようと思って書いてみました。ちなみに後継者候補に挙げるのは20歳以下のメンバーに限定しました。


矢島舞美(1992年2月7日生まれ) 対応ポジション:トップ下、セカンドトップサイドハーフ

特筆すべき三大長所

  • 圧倒的なスプリント能力
  • 仕掛け/崩しにおける創造性
  • 心身両面におけるタフネス

【後継者候補トップ3】

  1. 譜久村聖(モーニング娘。'17/1996年10月30日生まれ)
  2. 浜浦彩乃(こぶしファクトリー/2000年4月26日生まれ)
  3. 船木結(カントリー・ガールズ/2002年5月10日生まれ)

ハロプロ史上でも屈指のスプリント能力と創造性に満ちたアタックで魅せたクオリティー面の高さだけでなく、自己犠牲を厭わないチームスピリットといった精神面でも"違い"を作っていた矢島。その後継者として真っ先に名前が挙がるのはモーニング娘。のリーダーにしてハロプロのサブリーダー就任も決まった譜久村だろう。個人での局面打開力では矢島に及ばないものの、周囲との即興的なコンビネーションプレーや得点に直結する動き出しの質では上回る。総合力の高いアタッカーでチーム全体のバランスを保証する点も貴重だ。譜久村に続くのはこぶしファクトリーの浜浦で2列目中央(トップ下)を得意とする点や恵まれた体躯など矢島との共通点も多い。船木はドリブラーとしての素質がより強いが仕掛け/崩しからフィニッシュまで幅広い貢献が期待出来るだけでなく年齢的にもまだまだ伸びしろを多く残す注目株だ。


中島早貴(1994年2月5日生まれ) 対応ポジション:CB、セントラルMFサイドバック

特筆すべき三大長所

  • カバーリングを始めとしたポジショニングの正確さ
  • ビルドアップでの高い貢献度
  • パフォーマンスの安定感

【後継者候補トップ3】

  1. 山木梨沙(カントリー・ガールズ/1997年10月14日生まれ)
  2. 山岸理子(つばきファクトリー/1998年11月24日生まれ)
  3. 加賀楓(モーニング娘。'17/1999年11月30日生まれ)

派手さはないものの堅実なパフォーマンスとインテリジェンスに富んだプレーでチームの屋台骨を支え続けた中島の系譜に連なるメンバーでは6月の嗣永卒業後にカントリー・ガールズの舵取り役としての責任が一層増していきそうな山木が筆頭候補として挙げられる。危機察知能力とスペースを埋める感覚に長け中盤でフィルターとしての役割を高次元でこなすだけでなく、正確なパスワークで攻撃の基点としても機能する。つばきファクトリーのリーダーである山岸はキャリア前期の中島を彷彿とさせるキャラクターの持ち主で、精神面での成長次第では中島のように確変する未来も見込める。念願のトップ昇格を果たした加賀はストッパータイプのCBで、研修生時代に見せていたリーダーシップをモーニング娘。でも発揮出来れば新時代のハロプロを牽引する存在にも成り得るポテンシャルを秘める。


鈴木愛理(1994年4月12日生まれ) 対応ポジション:セカンドトップ、CF

特筆すべき三大長所

  • 傑出した得点感覚
  • 変幻自在のポジショニング
  • 一瞬でトップギアに入る加速性能

【後継者候補トップ3】

  1. 宮本佳林(Juice=Juice/1998年12月1日生まれ)
  2. 牧野真莉愛(モーニング娘。'17/2001年2月2日生まれ)
  3. 佐々木莉佳子(アンジュルム/2001年5月28日生まれ)

℃-uteのみならずこの5、6年はハロプロエースとしての重責を担い、その称号に恥じない圧巻のパフォーマンスで先頭を走り続けてみせた鈴木。偉大なその先達に続くのは18歳というアイドルとしての充実度を増していく年齢に差し掛かり一層凄みを増している宮本を置いて他にないだろう。シュートの決定力やドリブルでの単独突破などアタッカーとしての総合力では現時点でも鈴木に匹敵しており、今後は大舞台での経験や勝負強さを身に付けていけば数年に渡りハロプロの象徴としての座を手中に収めるはずだ。宮本に次ぐのは昨年のセンター起用が示すように飛躍的な成長曲線を描いている最中の牧野だ。今やハロプロ全体で見ても屈指のスピードスターであり、ミスを恐れないプレーの積極性には大きな価値がある。佐々木は牧野と比較するとよりCF色が強く、天性のゴールセンスを備える9番タイプだ。


岡井千聖(1994年6月21日生まれ) 対応ポジション:サイドバックセントラルMFサイドハーフ

特筆すべき三大長所

  • 絶えずアップダウンを繰り返す運動量
  • ドリブルによる局面打開
  • 中盤にも対応する戦術的柔軟性

【後継者候補トップ3】

  1. 室田瑞希(アンジュルム/1998年6月12日生まれ)
  2. 藤井梨央(こぶしファクトリー/1999年3月4日生まれ)
  3. 小片リサ(つばきファクトリー/1998年11月5日生まれ)

ハードワークを絶やさない無尽蔵のスタミナとパスやドリブルによる局面打開に加え、中盤センターにも難なく対応する戦術的柔軟性の高さで不動の地位を築いた岡井。ハロプロ史上最高とも評価出来るサイドバックを追うのは攻撃的なスタイルと独力での突破力に共通点を見出せる室田が可能性を感じさせる候補者だ。アンジュルムでの現在の役割はやや固定気味だが、メンバー変動の絶えないチームだけに今後の展開次第では中盤へのコンバートも考えられる。備えているキャラクターを考慮すると最も岡井に近いと言える藤井は攻撃面での関与の幅を増やしていくことが課題で、こぶしファクトリーにとってもその存在感が増すことの意味は大きい。小片は前述の2人よりもバランサー型でタイミングを心得た攻撃参加や足元の技術も高く、メジャーデビューを控えるつばきファクトリーの命運を握る1人だ。


萩原舞(1996年2月7日生まれ) 対応ポジション:トップ下、セカンドトップ

特筆すべき三大長所

  • ポゼッションプレーへの関与と質
  • 敵2ライン間でのポジショニングセンス
  • 得点能力の高さ

【後継者候補トップ3】

  1. 上國料萌衣(アンジュルム/1999年10月24日生まれ)
  2. 梁川奈々美(カントリー・ガールズ/2002年1月6日生まれ)
  3. 森戸知沙希(カントリー・ガールズ/2000年2月19日生まれ)

ポジションを巧みに移動しながらパスワークに絡んでポゼッションを円滑にし、機を見てゴールを狙うシャドーストライカーとしての役割もこなしていた萩原。加入当初はCFで起用されていたものの笠原桃奈加入後はサイドにポジションを移し万能性の高さでも評価を上げているのが上國料だ。パフォーマンスの安定感や単独で仕掛けるプレーの頻度が増せばより脅威を与えられるアタッカーへと進化するだろう。最前線に位置しながら頻繁に中盤に下りて抜群のキープ力とパスセンスを武器にカントリー・ガールズの"偽9番"として独自の存在感を誇示している梁川は嗣永の卒業をどう乗り越えるかがステップアップへの焦点になりそうだ。そのカントリー・ガールズで最大の得点源として機能する森戸は得点感覚やスピードを始め着実にクオリティーを高めているメンバーで合わせて注目していきたい。


嗣永桃子(1992年3月6日生まれ) 対応ポジション:セントラルMF、トップ下、サイドハーフセカンドトップ

特筆すべき三大長所

  • 破格のクリエイティビティ-
  • 正確無比のボールスキル
  • プレーの継続性

【後継者候補トップ3】

  1. 小関舞(カントリー・ガールズ/2002年2月10日生まれ)
  2. 工藤遥(モーニング娘。'17/1999年10月27日生まれ)
  3. 竹内朱莉(アンジュルム/1997年11月23日生まれ)

類稀なるプレービジョンとそれを実行可能にする超絶技巧の数々でハロプロの歴史に燦然と輝く足跡を残した嗣永。その寵愛を受けて後継者への道を歩んでいるのが小関だ。セントラルMFサイドハーフ、シャドー(セカンドトップ)と複数のポジションに対応し、どこで起用されても質を落とさないプレーの引き出しの多さは傑出している。ブレずに己を磨いていけば"嗣永二世"との評価を確立させられるはずだ。工藤はトップ下を本職とするよりオフェンスに特長のあるメンバーだがチームの潤滑油としての貢献度は相当に高く、チームのレベルを一段アップさせる波及効果も期待出来る。候補者の中では継続性という点で群を抜く竹内は完成度の高いセントラルMFだがどちらかと言えばテクニシャン型よりもアスリート型のセントラルMFであり、嗣永のようなインテリジェンスを披露する場面は多くない。


というわけで3人ずつ、計18人の候補者を挙げてみました。カントリー・ガールズは全員どこかしらに入りましたね。

ハロプロ各グループの攻撃メカニズム(こぶしファクトリー×4-3-1-2編)

分析

連載シリーズ第2弾はこぶしファクトリーです。


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■基本コンセプト
こぶしファクトリーのシステムは中盤が菱形の4-3-1-2。Juice=Juiceや初期6人体制時のカントリー・ガールズも採用していた近年のハロプロトレンドとも言える形だ。ここでいきなり少し本題から外れるがなぜ4-3-1-2が流行しているのかを考えてみる。一番の要因はおそらく純粋なサイドアタッカーが減少していること、それに反して優秀なセントラルMFが多く生まれていることにあるだろう。この数年で一気に50人を超える大所帯となったハロプロだがサイドアタッカーとして分類出来るメンバーは非常に少ない。サイドも出来るけど、というメンバーはとても多いけれど。サイドハーフまたはウイングを本職とするのは牧野真莉愛(モーニング娘。'17)、船木結(カントリー・ガールズ)、岸本ゆめの(つばきファクトリー)ぐらいだろう。
話をこぶしファクトリーに戻すとリーダーの広瀬彩海(ベストポジションはCBだが)と野村みな美というクオリティーの高いセントラルMFに加えて攻撃陣にもトップ下の浜浦彩乃とCFの井上玲音が揃い中央のポジションに優秀なメンバーが多いこと、また攻撃的なマインドを持つサイドバックを2枚(田口夏実藤井梨央)持っている戦力的な理由からも4-3-1-2が最適なシステムとして導き出せる。チームの方向性としては個に依存するよりも全体のバランスを保ちながら局地的に数的優位を形成して局面を打開していく方向性が強い。


■攻撃メカニズムの具体例

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ビルドアップはアンカー(DMF)の広瀬と右インサイドハーフの野村、ここに左インサイドハーフ和田桜子か左サイドバックの藤井を加えた3枚で行われることが多い。広瀬と野村は敵陣深く攻め込むことはごく稀で、低めの位置でビルドアップの基点として機能しながらフィジカル面での強さとスペースを埋める動きなどで守備の安定に貢献する役割がメインとなる。全体としての仕掛け/崩しの方法論はサイドでの数的優位アタックと敵アンカーの両脇のスペースを狙うというもの。右サイドではウイング並の高いポジショニングを取る田口で対面する敵左サイドバックを、田口の空けたスペースに野村が流れることで敵左インサイドハーフのマークを引き付ける。その間のスペースで中央からサイドに流れてくるセカンドトップ小川麗奈がボールを受ける場面が多い。または小川の動きで敵左サイドバックを引き付けて田口が受ける。ここからトップ下の浜浦やCFの井上が連動して崩していく。左サイドでは藤井と和田がポジションチェンジを繰り返しながらマークのズレ(敵右インサイドハーフを動かす)を誘発する。ここに浜浦か井上が加わると左サイドでも数的優位を形成出来るが右サイドと比較すると現時点では散発的だ。全体の評価としてはメンバーの平均年齢も低くメジャーでの経験も少ないながら"戦闘能力"の高いメンバーが揃っており、その足し算がチーム力にも直結している印象だ。基本的には広瀬・野村、藤井・和田桜、田口・小川、浜浦・井上がそれぞれセットで成り立っている。個々のキャラクターや攻守における姿勢など随所にBerryz工房のエッセンスを感じさせるのも興味深いところだ。


■注目したいメンバー
現在15歳という若さながら既に完成度の高いCFとして攻撃の中心にいるのが井上だ。速さと強さを兼ね備えるだけでなく時折見せる変幻自在かつ効果的なポジショニングは現ハロプロエースである℃-ute鈴木愛理を彷彿とさせる。鈴木に比べるとよりストライカー色が強いが、その後継者候補としても有力な存在になっていくだろう。リーダーの広瀬もCBとしてのクオリティーは相当に高く、佐藤優樹(モーニング娘。'17)や相川茉穂(アンジュルム)が相次いで離脱しているこのポジションにおいてその重要性は更に増している。

ハロプロ各グループの攻撃メカニズム(アンジュルム×4-2-3-1編)

分析

新しいシリーズ企画として各グループの攻撃メカニズムを分析していこうと思いまして。意図としては同じシステムでもコンセプトや人の動かし方には違いがあるということの確認作業です。ちなみに現時点ではモーニング娘。'17とアンジュルムは4-2-3-1、℃-uteカントリー・ガールズは4-3-3(4-1-4-1でも4-5-1でもいい)、Juice=Juiceとこぶしファクトリーは4-3-1-2、つばきファクトリーは4-4-2として考えています。

アンジュルム

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■基本コンセプト
アンジュルムが持つ最大の長所は前線の4人、すなわち和田彩花×上國料萌衣×佐々木莉佳子×笠原桃奈で構成される攻撃陣の得点能力の高さにある。全員に共通するのは優れたアジリティーと決定機に直結するスペースへの嗅覚で、チームとしてもこの4人を活かすための組織作りが為されている。それに加えてスマイレージ時代からの特長でもある縦方向への意識の高さも保たれていて、攻守におけるアグレッシブな振る舞いがチームカラーとして根付いている。これらの事情から同じシステムを採用しているモーニング娘。'17と比較するとボールポゼッションに対するプレーの比重は低くなっていて、敵DFラインの裏を狙うロングボールやサイドからアーリークロスを供給する頻度が高くなっている。


■攻撃メカニズムの具体例

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前述のように前線カルテットの能力を活用したいので敵2ライン間(4人のDFと4人のMFの間)を広げたい、とりわけ相手のCMF2枚を動かす必要が出てくる。その為に4-4ブロックの前(図の四角形ゾーン)を攻撃の基点としてCMFを前へとおびき寄せるプレーが求められる。パターンは主に4つで勝田と竹内の2枚のまま、和田が下りて勝田×竹内×和田の3枚、中西が中央に入って勝田×竹内×中西の3枚、竹内がサイドに流れて和田か中西が入る(2人入るのは稀)というレパートリーがある。このエリアで基点を作るとライン間への縦パス、サイドに展開してからのクロス、裏のスペースへのロングボールで攻撃を組み立てていく。両サイドアタッカーの上國料と佐々木はポジションを下げることなくライン間やゴール前での仕事がメインとなる。上國料は中央でのコンビネーション、佐々木は単独での仕掛けを武器としている点はモーニング娘。'17の譜久村聖×牧野真莉愛コンビにも共通している。柔軟にポジションチェンジを行う左サイドに比べると右サイドはほぼ一貫してサイドバック室田瑞希がポジションを上げて横幅を確保して、上國料を中央でプレーさせるスタイルだ。左サイドでは図の①と②の場合は中西、③では佐々木、④では竹内が横幅を担う。サイドからのクロス(主に室田と中西の両サイドバックから)に対しては少なくとも3枚はエリア内にポジショニングして標的を増やしていく。

■注目したいメンバー
モーニング娘。'17の石田亜佑美と同様に万能型のセントラルMFであり戦術上のキーパーソンになっているのが竹内朱莉で、局面を打開する能力ではリーダーでトップ下の和田と双璧を成す存在だ。パス技術こそ平均的なレベルだがフィジカル的能力/資質は極めて高く、ドリブルやオフ・ザ・ボールの動きでも威力を発揮する。セントラルMFでペアを組む勝田里奈は静的な司令塔タイプで足元の技術やプレービジョンは光るものがあるが動きの量や継続性に欠ける。彼女が組み立てに絡む頻度が増えればチームとしての選択肢も広がるはずだ。室田は担っている役割が卒業した田村芽実に似ているので地道に個人能力を上げながら攻撃に関わる回数を増やしていきたいところだ。


本当はモーニング娘。'17からやりたかったけどちょくちょく触れてるし13期入ったばかりだし佐藤は休養中だしということでアンジュルムからやりました。今後この企画が続くかは気分次第です。このブログ自体がそうだけど。まとめてやるかもしれないです。