J's laboratory 2

ハロプロをフットボールに脳内変換してひたすら分析するブログです。

℃-uteと嗣永桃子の後継者候補を探してみよう

気が付けばあっという間に2月も半ばになってハロプロキッズ時代の終わりも刻一刻と近付いてきました。というわけでそろそろ℃-ute嗣永桃子、6人の後継者候補をそれぞれ考えてみようと思って書いてみました。ちなみに後継者候補に挙げるのは20歳以下のメンバーに限定しました。


矢島舞美(1992年2月7日生まれ) 対応ポジション:トップ下、セカンドトップサイドハーフ

特筆すべき三大長所

  • 圧倒的なスプリント能力
  • 仕掛け/崩しにおける創造性
  • 心身両面におけるタフネス

【後継者候補トップ3】

  1. 譜久村聖(モーニング娘。'17/1996年10月30日生まれ)
  2. 浜浦彩乃(こぶしファクトリー/2000年4月26日生まれ)
  3. 船木結(カントリー・ガールズ/2002年5月10日生まれ)

ハロプロ史上でも屈指のスプリント能力と創造性に満ちたアタックで魅せたクオリティー面の高さだけでなく、自己犠牲を厭わないチームスピリットといった精神面でも"違い"を作っていた矢島。その後継者として真っ先に名前が挙がるのはモーニング娘。のリーダーにしてハロプロのサブリーダー就任も決まった譜久村だろう。個人での局面打開力では矢島に及ばないものの、周囲との即興的なコンビネーションプレーや得点に直結する動き出しの質では上回る。総合力の高いアタッカーでチーム全体のバランスを保証する点も貴重だ。譜久村に続くのはこぶしファクトリーの浜浦で2列目中央(トップ下)を得意とする点や恵まれた体躯など矢島との共通点も多い。船木はドリブラーとしての素質がより強いが仕掛け/崩しからフィニッシュまで幅広い貢献が期待出来るだけでなく年齢的にもまだまだ伸びしろを多く残す注目株だ。


中島早貴(1994年2月5日生まれ) 対応ポジション:CB、セントラルMFサイドバック

特筆すべき三大長所

  • カバーリングを始めとしたポジショニングの正確さ
  • ビルドアップでの高い貢献度
  • パフォーマンスの安定感

【後継者候補トップ3】

  1. 山木梨沙(カントリー・ガールズ/1997年10月14日生まれ)
  2. 山岸理子(つばきファクトリー/1998年11月24日生まれ)
  3. 加賀楓(モーニング娘。'17/1999年11月30日生まれ)

派手さはないものの堅実なパフォーマンスとインテリジェンスに富んだプレーでチームの屋台骨を支え続けた中島の系譜に連なるメンバーでは6月の嗣永卒業後にカントリー・ガールズの舵取り役としての責任が一層増していきそうな山木が筆頭候補として挙げられる。危機察知能力とスペースを埋める感覚に長け中盤でフィルターとしての役割を高次元でこなすだけでなく、正確なパスワークで攻撃の基点としても機能する。つばきファクトリーのリーダーである山岸はキャリア前期の中島を彷彿とさせるキャラクターの持ち主で、精神面での成長次第では中島のように確変する未来も見込める。念願のトップ昇格を果たした加賀はストッパータイプのCBで、研修生時代に見せていたリーダーシップをモーニング娘。でも発揮出来れば新時代のハロプロを牽引する存在にも成り得るポテンシャルを秘める。


鈴木愛理(1994年4月12日生まれ) 対応ポジション:セカンドトップ、CF

特筆すべき三大長所

  • 傑出した得点感覚
  • 変幻自在のポジショニング
  • 一瞬でトップギアに入る加速性能

【後継者候補トップ3】

  1. 宮本佳林(Juice=Juice/1998年12月1日生まれ)
  2. 牧野真莉愛(モーニング娘。'17/2001年2月2日生まれ)
  3. 佐々木莉佳子(アンジュルム/2001年5月28日生まれ)

℃-uteのみならずこの5、6年はハロプロエースとしての重責を担い、その称号に恥じない圧巻のパフォーマンスで先頭を走り続けてみせた鈴木。偉大なその先達に続くのは18歳というアイドルとしての充実度を増していく年齢に差し掛かり一層凄みを増している宮本を置いて他にないだろう。シュートの決定力やドリブルでの単独突破などアタッカーとしての総合力では現時点でも鈴木に匹敵しており、今後は大舞台での経験や勝負強さを身に付けていけば数年に渡りハロプロの象徴としての座を手中に収めるはずだ。宮本に次ぐのは昨年のセンター起用が示すように飛躍的な成長曲線を描いている最中の牧野だ。今やハロプロ全体で見ても屈指のスピードスターであり、ミスを恐れないプレーの積極性には大きな価値がある。佐々木は牧野と比較するとよりCF色が強く、天性のゴールセンスを備える9番タイプだ。


岡井千聖(1994年6月21日生まれ) 対応ポジション:サイドバックセントラルMFサイドハーフ

特筆すべき三大長所

  • 絶えずアップダウンを繰り返す運動量
  • ドリブルによる局面打開
  • 中盤にも対応する戦術的柔軟性

【後継者候補トップ3】

  1. 室田瑞希(アンジュルム/1998年6月12日生まれ)
  2. 藤井梨央(こぶしファクトリー/1999年3月4日生まれ)
  3. 小片リサ(つばきファクトリー/1998年11月5日生まれ)

ハードワークを絶やさない無尽蔵のスタミナとパスやドリブルによる局面打開に加え、中盤センターにも難なく対応する戦術的柔軟性の高さで不動の地位を築いた岡井。ハロプロ史上最高とも評価出来るサイドバックを追うのは攻撃的なスタイルと独力での突破力に共通点を見出せる室田が可能性を感じさせる候補者だ。アンジュルムでの現在の役割はやや固定気味だが、メンバー変動の絶えないチームだけに今後の展開次第では中盤へのコンバートも考えられる。備えているキャラクターを考慮すると最も岡井に近いと言える藤井は攻撃面での関与の幅を増やしていくことが課題で、こぶしファクトリーにとってもその存在感が増すことの意味は大きい。小片は前述の2人よりもバランサー型でタイミングを心得た攻撃参加や足元の技術も高く、メジャーデビューを控えるつばきファクトリーの命運を握る1人だ。


萩原舞(1996年2月7日生まれ) 対応ポジション:トップ下、セカンドトップ

特筆すべき三大長所

  • ポゼッションプレーへの関与と質
  • 敵2ライン間でのポジショニングセンス
  • 得点能力の高さ

【後継者候補トップ3】

  1. 上國料萌衣(アンジュルム/1999年10月24日生まれ)
  2. 梁川奈々美(カントリー・ガールズ/2002年1月6日生まれ)
  3. 森戸知沙希(カントリー・ガールズ/2000年2月19日生まれ)

ポジションを巧みに移動しながらパスワークに絡んでポゼッションを円滑にし、機を見てゴールを狙うシャドーストライカーとしての役割もこなしていた萩原。加入当初はCFで起用されていたものの笠原桃奈加入後はサイドにポジションを移し万能性の高さでも評価を上げているのが上國料だ。パフォーマンスの安定感や単独で仕掛けるプレーの頻度が増せばより脅威を与えられるアタッカーへと進化するだろう。最前線に位置しながら頻繁に中盤に下りて抜群のキープ力とパスセンスを武器にカントリー・ガールズの"偽9番"として独自の存在感を誇示している梁川は嗣永の卒業をどう乗り越えるかがステップアップへの焦点になりそうだ。そのカントリー・ガールズで最大の得点源として機能する森戸は得点感覚やスピードを始め着実にクオリティーを高めているメンバーで合わせて注目していきたい。


嗣永桃子(1992年3月6日生まれ) 対応ポジション:セントラルMF、トップ下、サイドハーフセカンドトップ

特筆すべき三大長所

  • 破格のクリエイティビティ-
  • 正確無比のボールスキル
  • プレーの継続性

【後継者候補トップ3】

  1. 小関舞(カントリー・ガールズ/2002年2月10日生まれ)
  2. 工藤遥(モーニング娘。'17/1999年10月27日生まれ)
  3. 竹内朱莉(アンジュルム/1997年11月23日生まれ)

類稀なるプレービジョンとそれを実行可能にする超絶技巧の数々でハロプロの歴史に燦然と輝く足跡を残した嗣永。その寵愛を受けて後継者への道を歩んでいるのが小関だ。セントラルMFサイドハーフ、シャドー(セカンドトップ)と複数のポジションに対応し、どこで起用されても質を落とさないプレーの引き出しの多さは傑出している。ブレずに己を磨いていけば"嗣永二世"との評価を確立させられるはずだ。工藤はトップ下を本職とするよりオフェンスに特長のあるメンバーだがチームの潤滑油としての貢献度は相当に高く、チームのレベルを一段アップさせる波及効果も期待出来る。候補者の中では継続性という点で群を抜く竹内は完成度の高いセントラルMFだがどちらかと言えばテクニシャン型よりもアスリート型のセントラルMFであり、嗣永のようなインテリジェンスを披露する場面は多くない。


というわけで3人ずつ、計18人の候補者を挙げてみました。カントリー・ガールズは全員どこかしらに入りましたね。

ハロプロ各グループの攻撃メカニズム(こぶしファクトリー×4-3-1-2編)

連載シリーズ第2弾はこぶしファクトリーです。


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■基本コンセプト
こぶしファクトリーのシステムは中盤が菱形の4-3-1-2。Juice=Juiceや初期6人体制時のカントリー・ガールズも採用していた近年のハロプロトレンドとも言える形だ。ここでいきなり少し本題から外れるがなぜ4-3-1-2が流行しているのかを考えてみる。一番の要因はおそらく純粋なサイドアタッカーが減少していること、それに反して優秀なセントラルMFが多く生まれていることにあるだろう。この数年で一気に50人を超える大所帯となったハロプロだがサイドアタッカーとして分類出来るメンバーは非常に少ない。サイドも出来るけど、というメンバーはとても多いけれど。サイドハーフまたはウイングを本職とするのは牧野真莉愛(モーニング娘。'17)、船木結(カントリー・ガールズ)、岸本ゆめの(つばきファクトリー)ぐらいだろう。
話をこぶしファクトリーに戻すとリーダーの広瀬彩海(ベストポジションはCBだが)と野村みな美というクオリティーの高いセントラルMFに加えて攻撃陣にもトップ下の浜浦彩乃とCFの井上玲音が揃い中央のポジションに優秀なメンバーが多いこと、また攻撃的なマインドを持つサイドバックを2枚(田口夏実藤井梨央)持っている戦力的な理由からも4-3-1-2が最適なシステムとして導き出せる。チームの方向性としては個に依存するよりも全体のバランスを保ちながら局地的に数的優位を形成して局面を打開していく方向性が強い。


■攻撃メカニズムの具体例

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ビルドアップはアンカー(DMF)の広瀬と右インサイドハーフの野村、ここに左インサイドハーフ和田桜子か左サイドバックの藤井を加えた3枚で行われることが多い。広瀬と野村は敵陣深く攻め込むことはごく稀で、低めの位置でビルドアップの基点として機能しながらフィジカル面での強さとスペースを埋める動きなどで守備の安定に貢献する役割がメインとなる。全体としての仕掛け/崩しの方法論はサイドでの数的優位アタックと敵アンカーの両脇のスペースを狙うというもの。右サイドではウイング並の高いポジショニングを取る田口で対面する敵左サイドバックを、田口の空けたスペースに野村が流れることで敵左インサイドハーフのマークを引き付ける。その間のスペースで中央からサイドに流れてくるセカンドトップ小川麗奈がボールを受ける場面が多い。または小川の動きで敵左サイドバックを引き付けて田口が受ける。ここからトップ下の浜浦やCFの井上が連動して崩していく。左サイドでは藤井と和田がポジションチェンジを繰り返しながらマークのズレ(敵右インサイドハーフを動かす)を誘発する。ここに浜浦か井上が加わると左サイドでも数的優位を形成出来るが右サイドと比較すると現時点では散発的だ。全体の評価としてはメンバーの平均年齢も低くメジャーでの経験も少ないながら"戦闘能力"の高いメンバーが揃っており、その足し算がチーム力にも直結している印象だ。基本的には広瀬・野村、藤井・和田桜、田口・小川、浜浦・井上がそれぞれセットで成り立っている。個々のキャラクターや攻守における姿勢など随所にBerryz工房のエッセンスを感じさせるのも興味深いところだ。


■注目したいメンバー
現在15歳という若さながら既に完成度の高いCFとして攻撃の中心にいるのが井上だ。速さと強さを兼ね備えるだけでなく時折見せる変幻自在かつ効果的なポジショニングは現ハロプロエースである℃-ute鈴木愛理を彷彿とさせる。鈴木に比べるとよりストライカー色が強いが、その後継者候補としても有力な存在になっていくだろう。リーダーの広瀬もCBとしてのクオリティーは相当に高く、佐藤優樹(モーニング娘。'17)や相川茉穂(アンジュルム)が相次いで離脱しているこのポジションにおいてその重要性は更に増している。

ハロプロ各グループの攻撃メカニズム(アンジュルム×4-2-3-1編)

新しいシリーズ企画として各グループの攻撃メカニズムを分析していこうと思いまして。意図としては同じシステムでもコンセプトや人の動かし方には違いがあるということの確認作業です。ちなみに現時点ではモーニング娘。'17とアンジュルムは4-2-3-1、℃-uteカントリー・ガールズは4-3-3(4-1-4-1でも4-5-1でもいい)、Juice=Juiceとこぶしファクトリーは4-3-1-2、つばきファクトリーは4-4-2として考えています。

アンジュルム

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■基本コンセプト
アンジュルムが持つ最大の長所は前線の4人、すなわち和田彩花×上國料萌衣×佐々木莉佳子×笠原桃奈で構成される攻撃陣の得点能力の高さにある。全員に共通するのは優れたアジリティーと決定機に直結するスペースへの嗅覚で、チームとしてもこの4人を活かすための組織作りが為されている。それに加えてスマイレージ時代からの特長でもある縦方向への意識の高さも保たれていて、攻守におけるアグレッシブな振る舞いがチームカラーとして根付いている。これらの事情から同じシステムを採用しているモーニング娘。'17と比較するとボールポゼッションに対するプレーの比重は低くなっていて、敵DFラインの裏を狙うロングボールやサイドからアーリークロスを供給する頻度が高くなっている。


■攻撃メカニズムの具体例

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前述のように前線カルテットの能力を活用したいので敵2ライン間(4人のDFと4人のMFの間)を広げたい、とりわけ相手のCMF2枚を動かす必要が出てくる。その為に4-4ブロックの前(図の四角形ゾーン)を攻撃の基点としてCMFを前へとおびき寄せるプレーが求められる。パターンは主に4つで勝田と竹内の2枚のまま、和田が下りて勝田×竹内×和田の3枚、中西が中央に入って勝田×竹内×中西の3枚、竹内がサイドに流れて和田か中西が入る(2人入るのは稀)というレパートリーがある。このエリアで基点を作るとライン間への縦パス、サイドに展開してからのクロス、裏のスペースへのロングボールで攻撃を組み立てていく。両サイドアタッカーの上國料と佐々木はポジションを下げることなくライン間やゴール前での仕事がメインとなる。上國料は中央でのコンビネーション、佐々木は単独での仕掛けを武器としている点はモーニング娘。'17の譜久村聖×牧野真莉愛コンビにも共通している。柔軟にポジションチェンジを行う左サイドに比べると右サイドはほぼ一貫してサイドバック室田瑞希がポジションを上げて横幅を確保して、上國料を中央でプレーさせるスタイルだ。左サイドでは図の①と②の場合は中西、③では佐々木、④では竹内が横幅を担う。サイドからのクロス(主に室田と中西の両サイドバックから)に対しては少なくとも3枚はエリア内にポジショニングして標的を増やしていく。

■注目したいメンバー
モーニング娘。'17の石田亜佑美と同様に万能型のセントラルMFであり戦術上のキーパーソンになっているのが竹内朱莉で、局面を打開する能力ではリーダーでトップ下の和田と双璧を成す存在だ。パス技術こそ平均的なレベルだがフィジカル的能力/資質は極めて高く、ドリブルやオフ・ザ・ボールの動きでも威力を発揮する。セントラルMFでペアを組む勝田里奈は静的な司令塔タイプで足元の技術やプレービジョンは光るものがあるが動きの量や継続性に欠ける。彼女が組み立てに絡む頻度が増えればチームとしての選択肢も広がるはずだ。室田は担っている役割が卒業した田村芽実に似ているので地道に個人能力を上げながら攻撃に関わる回数を増やしていきたいところだ。


本当はモーニング娘。'17からやりたかったけどちょくちょく触れてるし13期入ったばかりだし佐藤は休養中だしということでアンジュルムからやりました。今後この企画が続くかは気分次第です。このブログ自体がそうだけど。まとめてやるかもしれないです。

2017年注目のハロプロメンバー・5

2017年最初の更新では昨年もやったこのテーマをやります。ちなみに昨年選んだのは牧野、竹内、宮本、藤井、森戸の5人でまずまずの的中率だったんじゃないかという自己満足を持ってます。注目と言っても個人というよりはチームの中でのキーパーソン的な意味合いの強いチョイスをしてます。


加賀楓(モーニング娘。'17)
研修生での4年間に及ぶ下積み期間を経てようやく念願だったトップチームへの昇格を果たした苦労人。簡単には当たり負けしない強靭なフィジカル能力、正確な足元の技術によって実現するビルドアップ局面での高い貢献、研修生時代から定評のあったリーダーシップなどCBに求められる重要な資質を兼ね備える完成度は既に新人の域を超えていると評価出来る。CBでコンビを形成するはずだった佐藤優樹がコンディション不良でしばらくは離脱する見込みになった為にさっそくフル回転の働きが求められそうなこの状況をどう活かすのか。いくつもの挫折を乗り越えてきた彼女のお手並み拝見といったところだろうか。

佐々木莉佳子(アンジュルム)
昨年5月に田村芽実が卒業したことで満を持して本来のポジションである9番(CF)としての出番が増えるかと思われた矢先に新メンバーとして笠原桃奈が加入。その笠原を頂点に置く4-2-3-1の左サイドアタッカーとして再び勝負することになった。若さからかパフォーマンスにはややムラがあるもののボールを持ってもオフ・ザ・ボールでもダイナミズムに富んだプレーで強引に局面を変えることの出来るキャラクターはアンジュルムというチームが求めるストライカー像に合致していると言えるだろう。彼女と笠原、そして和田彩花上國料萌衣で構成されるこの魅惑のカルテットでどのような輝きを放つのか注視したい。

山木梨沙(カントリー・ガールズ)
CBもしくはセントラルMFを本職とするがパスセンスと状況判断の良さを兼ね備えており攻撃の基点としての存在価値も極めて高い。スピードやフィジカルといった個人能力にも順調に進歩を感じさせ、同タイプだが年長の飯窪春菜金澤朋子にも引けを取らないクオリティーを見せている。プレイング・マネージャーの嗣永桃子が6月に卒業すればおそらくリーダーに就任することになるはずで責任は増すだろう。それに伴う新メンバー加入も予想される為に現時点では役割やポジションの変化は不透明だが、彼女の持つインテリジェンスが7月からのカントリー・ガールズでは更に大きな礎となっていくことは間違いないだろう。

井上玲音(こぶしファクトリー)
グループ最年少でありながら浜浦彩乃との2枚看板というステータスを早くも磐石としている事実一つを見てもいかに彼女が優秀なストライカーであるかが窺い知れるだろう。純粋なCFタイプとしてはハロプロ全体で考えても十分に頂点を狙えるレベルにあり、年齢から鑑みてもこぶしファクトリーのみならずハロプロにとってこれから長きに渡って重要な戦力になっていくはずだ。直近の課題としては個人のクオリティーよりも周囲とのコンビネーションプレーの頻度向上やパスを引き出す予備動作、ポジショニングといった戦術的な部分により求められるだろう。チームの引き出しを増やすことにも繋がるその成長に期待したい。

岸本ゆめの(つばきファクトリー)
新メンバー3人が加って9人体制となりいよいよ2月にメジャーデビューを迎えるつばきファクトリーにあって総合力ではグループ内でトップを争うであろう実力者。オーソドックスな4-4-2が基本システムになりそうなこのチームでの彼女のポジションは右サイドアタッカー浅倉樹々と小野田紗栞の2トップへのチャンスメイク、攻撃に持ち味が特化した左サイドアタッカーの谷本安美とのバランス、縦関係を築く秋山眞緒との相互理解、組み立てやポゼッションにおいてやや心許ない山岸理子×新沼希空×小野瑞歩の3セントラルMFをサポートする働きなどその仕事は多岐に渡りそうで小片リサと共にチームの揺るぎない基盤となれるか。


今年はこの5人を選んでみました。なかなかに渋いメンツだけど年末が楽しみです。

今年のハロプロ・ベストテンを決めてみよう。

さて今年も終わりということで年末恒例のこの企画をやります。先代のブログから数えると今回で6回目になります。趣旨は管理人が今年のハロプロを見ていて印象的だったメンバーを独断と偏見で10人選ぼう!というものです。一応ポジションごとのバランスも考慮してます。それではさっそくベストテンの発表です。


金澤朋子(Juice=Juice/2年ぶり2回目)
一時は引退の危機も叫ばれた病を乗り越え、これまでと変わらずJuice=Juiceの屋台骨としてチームに君臨し続けた彼女の姿は多くの感動を呼んだに違いない。抜群の安定感とバランス感覚を兼ね備える彼女の存在は宮崎由加×植村あかり×宮本佳林の前線トリオが輝くために不可欠な要素だ。そのクオリティーは嗣永桃子中島早貴といったキッズ世代のオーガナイザーが抜ける来年7月からの新時代においてとりわけ重要性を増していくことだろう。

佐藤優樹(モーニング娘。'16/2年連続3回目)
年間を通して見ればコンディションもメンタル面においても常に充実していたわけではない。だが、それらが満たされているときの彼女の個人能力は突出していた。特に今年の上半期あたりまではMVP級のパフォーマンスを見せていたと言ってもいいだろう。CBとしての個のクオリティーについてはもはや文句の付けようのないレベルに達しており、あとは体制が変動していくモーニング娘。という組織の中でどう機能し続けていくかが焦点となる。

小田さくら(モーニング娘。'16/3年ぶり2回目)
デビュー当時から傑出していた継続性やフィジカル的な強度という点でさらなる向上を示しただけでなく、ビルドアップやオーバーラップ時のポジショニングといった攻撃面で飛躍的な進化を遂げて周囲に"代役不在"を強く印象付けた一年となった。℃-ute解散に伴う岡井千聖の卒業後にハロプロNo.1サイドバックの座を受け継ぐことはほぼ確実であり、その先では前任者が持つハロプロ史上最高のサイドバックの称号を得るために邁進することになるだろう。

竹内朱莉(アンジュルム/初)
昨年の福田花音に続いて5月には田村芽実も卒業したアンジュルムがその痛手を最小限に留められたのは上國料萌衣と笠原桃奈の新メンバー加入以上に彼女の成長に依るところが大きいだろう。縦への推進力とプレービジョンを存分に発揮してアンジュルムのモーターとしての働きを見事に果たした。複数のポジションと戦術にそつなく対応するこの万能戦士の価値は"激動"という言葉がよく似合うアンジュルムというチームにおいては殊更に大きく感じる。

嗣永桃子(カントリー・ガールズ/6年連続6回目)
その圧倒的なボールスキルと破格のクリエイティビティーは20年が経とうとしているハロプロの歴史をすべて紐解いてみても間違いなく最高位にランクされることだろう。近年はコンディションを崩すことが増え継続性においてはやや陰りが見え始めたことは確かだが、技術とセンスを駆使した局面打開力やここ一番での信頼性は健在だった。℃-uteと同じく来年6月をもって幕を閉じることになったその偉大なキャリアに心から拍手を送りたい。

工藤遥(モーニング娘。'16/2年連続2回目)
佐藤と同様にコンディション面での懸念は常に付きまとうものの、チーム内での居場所を得る大きなきっかけとなった昨年からの良い流れを切ることなく向上を続けたことは評価に値するだろう。モーニング娘。でのホームポジションは4-2-3-1のトップ下だがそこに留まることなく幅広いエリアを動き回りながらチームの流動性を促すことの出来るそのキャラクターはハロプロ全体で見ても貴重であり、嗣永の後継者としても有力な候補の一人だ。

譜久村聖(モーニング娘。'16/初)
リーダーとして迎える2年目のシーズンとなった今年はその重責とも上手く向き合い始めたように感じられ、精神的支柱としても主力のアタッカーとしても充実した一年を過ごした。相次いだ同期の卒業や℃-ute・嗣永といった先輩達との別れも決まるなど平穏とは無縁の日々を過ごしながらもチームの羅針盤として先頭に立って牽引し続けた姿には頼もしさを感じさせた。来年7月からの新時代においても象徴の一人として堂々たる存在感を放つだろう。

牧野真莉愛(モーニング娘。'16/初)
爆発的なスプリント能力と勇猛果敢に仕掛けることの出来る度胸などポテンシャルの高さを感じさせる要素は加入当初から持っていた。それらがチームのニーズと合致した結果、見事なまでのブレイクを果たした一年となった。鞘師里保の卒業以降エース不在が課題として挙げられていたモーニング娘。にあってその存在を誇示した今年の活躍は彼女の今後においても大きな自信になるだろう。13期加入でその勢いが止まる可能性はまず考えられない。

矢島舞美(℃-ute/2年連続3回目)
ハロプロ史上でも屈指のスピードと創造性を武器に攻撃の絶対軸としての働きを見せるそのクオリティー以上に評価されるべきはチームスピリットや自己犠牲の精神、規律面においての存在価値だろう。今年℃-uteはこれで何度目かというチーム崩壊の危機に瀕したものの、彼女が持つその揺るぎない意志とメンタルタフネスによってなんとか救われた印象だ。来年6月での℃-ute解散は決まったが、この闘将が気を緩めることは最後までないだろう。

鈴木愛理(℃-ute/6年連続6回目)
℃-uteのみならずここ数年はハロプロエースとしての責任も負う彼女は、今年も変わらずその名に恥じることのない圧巻のパフォーマンスを披露し続けてみせた。抜群のクイックネスと得点感覚、掴みどころのない効果的なポジショニング、心身ともに強靭そのもので自己管理を怠らないプロフェッショナリズムなどこの天才の長所を挙げればそれこそキリがない。宮本を筆頭に後継者候補はいるものの、彼女の幻影が残す壁は高く厚いものになるだろう。


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今年はこの10人になりました。次点は例の件がなければ岡井、あとは宮本、上國料ぐらいかなと。


■ベストテン・ランクイン回数
1位:嗣永桃子 6回(11-16)
1位:鈴木愛理 6回(11-16)
3位:道重さゆみ 4回(11-14)
4位:矢島舞美 3回(13,15,16)
4位:鞘師里保 3回(12-14)
4位:石田亜佑美 3回(12,13,15)
4位:佐藤優樹 3回(13,15,16)