J's laboratory 2

ハロプロをフットボールに脳内変換してひたすら分析するブログです。

研修生トリオとカントリー・ガールズトリオの移籍先を考えてみよう。

ハロプロにとって激動の6月ですが前回の予告通り早速考えていきたいと思います。まずは移籍する6人の基本情報から見ていきましょう。


【研修生デビュー待機組】
一岡伶奈(1999年2月25日生まれ) 対応ポジション:セントラルMF
基礎的な技術がしっかり備わっていて典型的な研修生出身のメンバーだなという印象。エースやチームの看板を背負うというよりはチーム力を確実に底上げしてくれるタイプであり、ある意味ではどこにでも加入させやすいとも言えるだろう。

段原瑠々(2001年5月7日生まれ) 対応ポジション:CB
圧倒的なフィジカル能力を身の上とする屈強なCB。スピード不足はやや不安要素だが、CBで組むパートナーやチーム戦術次第で解決出来る部分も大きいので心配はしていない。まだ16歳とCBとしてはかなり若いので、将来性という面でも期待。

・川村文乃(1999年7月7日生まれ) 対応ポジション:サイドハーフセカンドトップ
まだ研修生に加入して間もないが実績は十分で、即戦力としての計算が立つアタッカー。中央でもサイドでも機能するユーティリティー性を備えているため、前線の強化やオプション作りにはもってこいの存在だ。

カントリー・ガールズ移籍組】
森戸知沙希(2000年2月19日生まれ) 対応ポジション:セカンドトップ、CF、サイドハーフ
島村嬉唄の脱退後はカントリー・ガールズのエースとして活躍、おそらく最大の注目株だろう。足元の技術やフィジカル面での向上も顕著で、デビュー当初は純粋なFWタイプだったがチーム陣容の変化に伴ってサイドにも対応するなど戦術面でも成長を見せていた。

梁川奈々美(2002年1月6日生まれ) 対応ポジション:CF、セカンドトップ、トップ下
カントリー・ガールズでは3トップの中央で"偽9番"としてプレー。時に持ち過ぎるきらいはあるが抜群のボールキープと高度なテクニックで加入間もない段階から独特の存在感を放っていた。技術的には中盤での起用も現実味があるがどうなるか。

船木結(2002年5月10日生まれ) 対応ポジション:セカンドトップサイドハーフ、ウイング
速さと強さと上手さを兼ね備えたオールラウンドなアタッカーで、仕掛け/崩しの切り札としての役割に期待が掛かる。単独でもコンビネーションでも威力を発揮するので、移籍先次第では飛躍的に価値を高めるかもしれないポテンシャルを秘めている。


さらっと6人について触れたところでここからは各グループの現状から加入の可能性を探っていきます。


モーニング娘。'17】

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■注目ポイント
工藤遥が秋ツアーをもって卒業
・新機軸の3バックシステムが定着するか
牧野真莉愛野中美希の12期コンビが評価上昇中

年内に工藤の卒業が控えているとはいえそれでも12人体制の大所帯、また13期メンバーが加入して日も浅いこともあり補強の必要性はそこまで高くないだろう。完全復活を遂げた佐藤優樹と信頼性では群を抜く小田さくらに新メンバーの加賀楓を加えた3バックを土台とした新システムは上々の滑り出しで、両翼では進境著しい牧野と野中のコンビが躍動している。3-4-2-1を前提とするなら工藤卒業に伴い牧野が前線の一角にポジションを上げることになりそうだが、ここに来てキャリアのピークを思わせる充実度を見せている生田衣梨奈が控えているため現状維持でも十分だろう。あえて補強ポイントを挙げるならば主力の飯窪春菜石田亜佑美が共に20歳を超えているセントラルMF、工藤の後継者となりえる1.5~2列目だろう。牧野は工藤よりもドリブルでの突破やフィニッシュに持ち味が偏ったFW色の強いメンバーであるためだ。

■加入候補者は?
唯一セントラルMFに対応可能な一岡はニーズに合った候補と言えるだろう。将来的には現在の飯窪×石田コンビから尾形×一岡コンビへの移行も考えられる。川村とカントリー・ガールズトリオのアタッカー勢もそれぞれフィットする可能性はあるが、最も効果的なのは船木だろうか。個人としての万能性が高く、周囲との連携で潤滑油として機能していた工藤の後継者として計算出来そうだ。同期の牧野や野中との比較でやや出遅れた印象の尾形春水羽賀朱音のモチベーションを刺激する意味合いもある。段原は加賀の加入でプライオリティーは下がったか。

■加入への期待値ランキング
一岡(80%)→船木(75%)→川村(70%)→森戸(60%)→梁川(50%)→段原(40%)


アンジュルム

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■注目ポイント
・前線は供給過多で入る余地が無いか
・離脱中の相川茉穂の動向
・卒業メンバーが出るのか

アンジュルム最大の懸念は離脱中の相川の動向だろう。1月以降戦列を離れているこのCBの1日でも早い復帰が待たれるところだ。その他の戦力に目を向けると各セクションで充実しているがとりわけリーダーの和田彩花を筆頭に佐々木莉佳子上國料萌衣笠原桃奈で構成される前線は破壊力抜群であり新メンバーに入り込む隙間は見当たらない。現状ではモーニング娘。'17と同様に補強の必要性は低いが和田や2期メンバー(中西香菜竹内朱莉勝田里奈)の卒業、相川の状態などを考慮すると先を見据えた未来への投資はあり得るかもしれない。補強ポイントはまずCB、相川が復帰すれば2枚揃うことになりバランスも取れる。次点でセントラルMFか。勝田と竹内の2期メンバーコンビは補完性も高く理想的だが、オプションを加えるのも悪くない選択肢だろう。

■加入候補者は?
既に研修生屈指の実力者でありながら将来性も十分な段原は加入すれば長きに渡ってチームを支える存在になるだろう。相川が復帰して10人体制となればおそらくハロプロ最強ユニットの座を不動のものにするはずである。次点でセントラルMFの一岡が挙げられる。一岡が加入すれば勝田をアンカーに配置し、その前に竹内と並べる3セントラルMFのシステムもオプションとして採用出来るメリットがある。アタッカー勢は前述のようにポジションがないため、アンジュルム側からしても候補者側からしても魅力的ではない。強いて挙げれば中盤にも対応出来そうな梁川だろうか。

■加入への期待値ランキング
段原(95%)→一岡(75%)→梁川(60%)→川村(50%)→船木(45%)→森戸(40%)


【Juice=Juice】

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■注目ポイント
・新ハロプロエース、宮本佳林の充実
・5人体制が崩れることへの反発
宮崎由加金澤朋子の後継者が加入?

℃-ute解散カントリー・ガールズの活動縮小に伴って現状唯一の少人数グループとなりそうなJuice=Juiceだが新メンバー加入の可能性がないわけではない。ハロプロエッグの最高傑作と謳われた宮本がその期待に応え、新時代の旗頭としての存在感を示し始めたのは明るいニュースだろう。どこか大人しい印象だった初期と比較すればかつての奔放さを取り戻しつつあり、今後の更なる飛躍も期待出来そうだ。チーム全体のソリッドさ、とりわけメンバー各々のフィジカル能力は傑出しているが一方で柔軟性に乏しい(5人では致し方ない部分もあるが)面もあるため、新しい血の導入は進化の糧となるかもしれない。現実的には宮崎、金澤の年長組の後継者獲得がメインとなるか。不安要素はメンバー、ファンから予想される強い反発だ。

■加入候補者は?
エースの宮本をどのポジションで起用するかが焦点になるが現状の4-3-1-2を引き続き軸にするのであれば一岡がベストの候補者となる。金澤をアンカーとして起用し、高木と一岡をインサイドハーフ、宮本をトップ下として配置する布陣だ。宮本をサイドアタッカーとして起用するならば川村あるいは船木の名前が挙がる。逆サイドの宮本とのバランス、または宮崎と植村あかりによる2トップとの連携が求められる。森戸と梁川は既存のアタッカー勢(宮崎、宮本、植村)とのバランスを考慮すると持ち味を存分に発揮することは難しそうで確率は下がる。段原は獲得するとすればアンカーでの起用か。

■加入への期待値ランキング
一岡(70%)→川村(65%)→船木(60%)→段原(50%)→梁川(45%)→森戸(40%)


こぶしファクトリー

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■注目ポイント
藤井梨央が9月に卒業
・サイドポジションの層の薄さ
浜浦彩乃井上玲音の2トップ体制が顕著に

9月にサブリーダーの藤井が卒業することが決まり、最も補強の必要性が叫ばれているこぶしファクトリー。藤井が抜けるためにサイドを担えるのが田口夏実だけになることもあって、このポジションの補強は急務となっている。その他のトピックとしては結成当初からの浜浦と井上の2大エース体制がより鮮明になってきていること。このコンビと心中するのか、新たな戦力を加えるのか、はたまたシステム変更もあるのか。早くもチームとして大きな岐路に立たされていると言っても過言ではないだろう。補強ポイントとしては藤井のサイドバックだが6人の候補者には対応出来るメンバーがおらず、現メンバーのコンバートかシステム変更で補うしかなさそうだ。3-5-2、あるいは3-4-x(前線は流動的)への移行が有力か。

■加入候補者は?
システム変更に伴い田口と共にウイングバックとして起用出来そうな候補者としては川村か船木が思い浮かぶ。両者の比較ではより単独での仕掛けに強みがあり運動量も豊富な船木がリードしていると見る。現メンバーの中では小川麗奈あるいは和田桜子がサイドにコンバートされる可能性が高そうだ。小川がサイドに移動する場合には浜浦、井上と前線を形成するアタッカーを加えたい。この場合には船木と川村をここで起用することも可能であるし、森戸と梁川はもちろん対応出来る。和田がコンバートされるなら一岡と段原も入るポジションはあるだろう。

■加入期待値ランキング
船木(90%)→川村(85%)→森戸(75%)→梁川(70%)→一岡(60%)→段原(55%)


つばきファクトリー

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■注目ポイント
・上々のメジャーデビュー
・体調不良が続発、早くも消耗?
・サイドのメンバーが充実

2月にメジャーデビューを果たしたばかりのつばきファクトリーだか最近はエースの浅倉樹々を含め体調不良が続発しており不穏な空気が漂っている。チームとしての出だしは好調そのものであり、2期メンバーの加入で戦力値も大幅に上昇した。なかでもハロプロでは珍しい4-4-2を導入していることからも分かるようにサイドのメンバーが充実しているのは強みとなるはずだ。本来であればメジャーデビュー間もないこの段階で補強は全く必要ない状態だがまだ未完成なチームということもあり、さらなる実験は行われるかもしれない。補強ポイントとしてはまず唯一メンバーが足りていないCB、次いでセントラルMFの拡充といったところか。アタッカー勢はシステム変更(4-3-3など)があれば可能性が広がりそうだが・・・。

■加入候補者は?
段原が加入し小野瑞歩とのCBコンビとなればチームの強度は確実に増すだろう。期待の新星である秋山眞緒と実力者の小片リサで形成される4人のDFラインは魅力的だ。山岸理子新沼希空セントラルMFコンビは展開力を始めとした攻撃面での貢献がやや心許ないため、一岡の加入を機に3セントラルMFシステムのオプションも考えられる。あるいは岸本ゆめのセントラルMFにコンバートさせ、船木や川村のサイドアタッカー候補を獲得するかだ。浅倉と小野田紗栞が健在な限りは2トップシステムでは出番がないが4-3-3への移行があれば森戸は有力な候補となりえる。

■加入期待値ランキング
段原(80%)→一岡(75%)→川村(65%)→船木(60%)→森戸(50%)→梁川(45%)



以上のことを踏まえた管理人の理想、というか予想はこんな感じです。

一岡・・・こぶしファクトリー
段原・・・アンジュルム
川村・・・Juice=Juice
森戸・・・つばきファクトリー
梁川・・・モーニング娘。'17
船木・・・こぶしファクトリー

これが一番しっくり来るかなと。川村はモーニング娘。'17でもいい気がするけど。

アイドルグループにおける個性とポジションの関係性について

久々の更新になってしまいました。4、5月と多忙を極めていたために放置していましたが、再開です。個人的なタイムリミットも迫っているのでここからスパートを掛けていければなと思っている次第であります。再開1発目の内容はタイトルの通りです。随分と大層なタイトルですが、やることは今までと変わりません。

優れたアイドルグループの条件とは?

まず前提として、何をもって"優れている"とするのか。人それぞれに意見があると思うけれど管理人は「メンバーそれぞれが持つ個性を十二分に発揮し、それらをチームという枠組みの中で表現し、チーム力として還元している組織」といったような考えである。そもそもアイドル=フットボール(サッカー)という思想の下でブログを書き続けてきたのも、このような考え方のうえで多くの共通点を見出してきたからに他ならない。ま、純粋にどっちも好きだったからというのが大きいんだけどね。

よく「個性を出していけ!」というような言葉をアイドル界隈でも耳にするけど、チームでやる以上個性というものはそれを形成するパーツである。箱にしまったままであったり、型が合わなかったり、組み立てる順番を間違ったりすれば意味を成さない。メンバー個人の特徴・特性を理解すると共に他のメンバーのそれも知り、相性や全体のバランスにも気を配らなければならない。良い食材を揃えてもシェフの腕がなければ良い料理は作れないのと同様である。

ここまでの感じだと堅苦しいし疲れてしまうので、ここからは実例を出して考えていきます。ブログを放置していた間にメンバーの卒業発表があったモーニング娘。'17を例にします。

モーニング娘。'17のケース

4/29に工藤遥が秋ツアーをもって卒業することが発表されたモーニング娘。'17。現在のフォーメーションは下図。

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ここ数年のモーニング娘。はメンバーの入れ替わりによってシステムも変化してきた。ワンフォーまでは4-1-4-1(4-3-3)、2015-2016は4-2-3-1、そして13期メンバーが加入した現在は3-4-2-1である。3-4-2-1への過程は前回の記事で触れたのでここでは割愛するとして、ここでは工藤周辺の問題について考えていきたい。工藤は4-1-4-1では左サイドアタッカー、4-2-3-1ではトップ下、3-4-2-1ではシャドウの一角としてプレーしてきた。システムやポジションの名称は変わっているがチーム内での役割はほぼ同じで、端的に言えば「中盤と前線を繋ぐ1.5~2列目」のメンバーである。

工藤の存在がチーム内で大きくなっていったのは道重さゆみが卒業し、4-2-3-1のトップ下に固定された2015年以降だろう。中盤の底から卓越したプレービジョンを根底に長短の正確なパスワークで全体を操っていた絶対的司令塔を失ったことで、チームは変革を余儀なくされた。セントラルMFにはワンフォーでは道重と中盤を形成していた同期の飯窪春菜石田亜佑美がおり、また新メンバーとしてウイングの資質を備えた牧野真莉愛が加入したことで工藤がサイドを担当する必要性が減ったこともあって最も適したトップ下のポジションでプレーする状況が整ったと言える。

工藤が持つ最大の個性はアジリティー(敏捷性)の高さと繊細な技術を武器として幅広いエリアを動いてポゼッションを高め、攻撃に流動性を与えるプレーにある。そのためサイドよりも中央、また得点感覚やラストパスといった特性を考慮すると高い位置での起用(=トップ下)が最適解と導き出せる。道重を中心にワンフォーで完成の域に達したポゼッションスタイルを陣容の変化も目まぐるしい中で維持してきたのは飯窪、石田、工藤の10期トリオの能力に依る部分が大きかった。そのため工藤卒業後はチームのプレースタイルにも小さくない変化が訪れそうな予感である。

ここからはポジションごとに要求される、重視すべき能力/資質について書いていく。

ポジションごとの求められる能力/資質

CB・・・守備面での砦であり、当然のことながらディフェンス全般における高い能力が要求される。対人でのフィジカル的な強度(=歌、ダンス等のスキル)に優れ、ポジショニングを始めとした状況判断の高さを備えていることが望ましい。また、広範囲をカバー出来るスピード(=ビジュアル)やビルドアップ局面で攻撃の起点として機能するパス(=トーク)技術が現代のCBでは重視される。チームに安定感をもたらすポジションのため、リーダーシップなど精神面での成熟も大切な素養だ。

サイドバック(ウイングバック)・・・攻守に渡ってタッチライン際を幅広くカバーする高い持久力を必要とするポジション。攻撃面ではビルドアップをサポートするポジショニングとパス能力、敵陣への運ぶドリブル(=単独でのトーク)や正確なクロスが要求される。守備面では1対1の対応、DFラインとの連携による判断能力が重要となってくる。ウイングバックは1人でサイドエリアを担うため、サイドバックよりも攻撃面での貢献がより重視されることが多い。

セントラルMF・・・チームの心臓部とも表現出来るチームの要のポジションだ。一般的には①DFラインの前に常駐し攻撃の基点となりながら守備面でフィルター役をこなすタイプと、②攻撃では前線との連携で攻め上がりスペースへの飛び出しやミドルシュートなどで厚みを加えるタイプの組み合わせだがこれはチーム事情に大きく左右される。3人のセントラルMFで構成されるシステム(4-3-1-2や4-3-3など)では①のタイプが逆三角形の陣形の頂点(アンカー)、その前に②のタイプを置く(インサイドハーフ)。いずれにしてもフィジカル・メンタル両面での強度、パスを筆頭としたプレー選択の安定性など組織の土台たりえる資質が必須だ。

サイドハーフ(ウイング)・・・攻撃面において求められるのは1対1での突破のドリブル(=キャラクターを活かして仕掛ける)やオフ・ザ・ボールでのタイミングの良い走り込みやクロス、後方からのパスを引き出すライン間ポジショニングだ。縦関係を築くサイドバックとの相互理解、守備の局面ではポジショニングの正確さや、他のMFとの連携が重要となる。ウイングはドリブル突破やフィニッシュ(=トークを完結させる)などより攻撃の仕上げで能力を発揮するサイドのFWとなる。

セカンドトップ(トップ下)・・・CFの背後または周囲に位置し、攻撃面での高いタレント性が要求されるポジション。パスを引き出すための予備動作、ドリブルやパスを駆使した周囲との連携あるいは単独での仕掛けによる局面打開、瞬間的なスピードで急所を突くスペースへの嗅覚や高度なシュート技術などを備えていることが望ましい。トップ下は分類的にはMFのためセントラルMFサイドハーフとの連携、FW陣へのアシストなどチャンスメイカーとしての役割が多くなる。

CF・・・最前線で攻撃の基準点となるFWで言わずもがな高い決定力(=アイドル性)が要求される。タイプとしては大きく2つに分類されスピードを活かして敵DFラインの背後を突きゴールを陥れるタイプと、フィジカル的な強度や技術を活かしてタメを作るタイプだ。エリア内でのポジショニングや多彩なフィニッシュが要求されるのは共通している。攻撃の最終局面に役割が特化しているポジションのため、逆説的に言えば万能性は要求されない。


これらを踏まえたうえで、メンバーを分類して組み合わせていくのが基本となる。もちろんチーム事情によって個人のポジションや役割は変化するので一概には言えないけども。次回の更新ではデビュー待機組の研修生トリオ、移籍の決まったカントリー・ガールズトリオの行き先を考えようと思います。

モーニング娘。'17 コンサートツアー春~THE INSPIRATION!~のプレビュー

いよいよ3月18日の開幕が目前に迫ってきたということで今回はツアーのプレビューとして個人的な注目ポイントを書いていきたいと思います。ツアー自体の、というよりはこれからしばらくの間みたいな感覚ですが。


結成20周年、新時代の礎を築けるか。

モーニング娘。にとって今年はグループ結成20周年というアニバーサリーイヤーである。現役メンバーの半数以上が1999年から2002年、俗に言われるチームの"黄金期"に生まれているという事実には隔世の感を禁じ得ないと同時にその歴史の深さを痛烈に感じさせる。現在のモーニング娘。は13人体制で活動しており9期メンバーの譜久村聖生田衣梨奈、10期メンバーの飯窪春菜石田亜佑美佐藤優樹工藤遥、11期メンバーの小田さくら、12期メンバーの尾形春水野中美希牧野真莉愛羽賀朱音、そして昨年12月に加入したばかりの加賀楓と横山玲奈の13期メンバーという陣容になっている。加入と卒業を繰り返していくチームの伝統ゆえに致し方ない面はあるが2014年の道重さゆみ、2015年の鞘師里保、そして昨年には鈴木香音が相次いで卒業。いずれのメンバーもリーダー、エース、ムードメーカーとしての働きが際立っていたチームのセンターラインとも表現出来る人材でありダメージはもちろん小さくない。しかし多くの経験を積んで円熟味を増してきた9・10・11期、チームにもフィットし各々の分野で存在感を示し始めた12期、大型新人との評判高い13期コンビとピースは揃った印象もある。すぐさま黄金期や道重リーダー期のような完成度を求めるのは時期尚早だが、そう遠くない未来に再び後世に語り継がれる偉大な時代を築ける可能性は十分に秘めていると考える。間もなく幕を開けるこのツアーをその礎と出来るかが焦点になってくるはずだ。


ツアーの注目ポイント

最大の注目はやはり初のツアー参加となる13期メンバーの2人に集まるだろう。4年という長い下積み期間を経て念願のデビューを掴んだ加賀と研修生加入から僅か3ヶ月でのスピード昇格となった横山というコントラスト、またそれぞれの持ち味は相反する点が多いもののそれがコンビとしての補完性の高さに繋がっており彼女達への期待値は日に日に増している印象だ。ポジジョン的には加賀が鈴木、横山が鞘師と重なるがメンタリティーではその逆とも判断出来ることから両者の総合力で鞘師と鈴木の穴を埋めるような存在への飛躍が望ましい。
また腰椎椎間板ヘルニアの為に戦線離脱していた佐藤が本ツアーから復帰することが決定したのも大きなニュースだ。パフォーマンス面だけでなくチームの調和を左右する意味でもカギを握るこの天才が戻ることでいよいよ本格始動する13人体制でのモーニング娘。'17がどのような表情を見せるのか。
その佐藤も含めた近年チームの主力となっている5人(譜久村、石田、佐藤、工藤、小田)に追随していくメンバーは誰になるのか。飛ぶ鳥を落とす勢いの牧野を筆頭に熾烈なアピール合戦が展開されるのは間違いない。


戦術的にも大きな改革の波が・・・

さて、ここからはいつもの調子でもう少し深くチームの構造について語っていきたい。これまでに何度も書いてきているように現在のモーニング娘。は4-2-3-1を基本システムとして採用している。まだ佐藤が入った完全な状態のチームを見ていない現状では予想の域を出ないが、最近のモーニング娘。からはシステム変更の兆しが伺える。その根拠として大きいのは野中と牧野の12期コンビが仕掛け/崩しの局面において不可欠な存在へと成長していること、もう1点は小田の主に攻撃面における役割の変化にある。個人によるドリブル突破やオフ・ザ・ボールでの飛び出しなど自らのアクションで状況の打破を目指すプレーにおいて強烈なアピールを続けているのが野中と牧野だ。牧野に関しては元来より持ち合わせているストロングポイントであり、昨年のセンター起用などからも一定の評価を勝ち得ていることは明白だろう。圧倒的なスピードと明確な自分の形を持った仕掛けは大きな武器だ。野中は13期加入が刺激になったのか独力で仕掛ける頻度が増え、フィジカル面でも着実な進歩を見せている途上だ。スペースへの嗅覚も優れているためオフ・ザ・ボールでも脅威となる。この二人の存在は全体のパワーバランスを変えそうでこれまでは野中が左サイドバック、牧野が左サイドアタッカーと同サイドでの起用がメインだったが両者の局面打開力を最大限に発揮させるためには左右のサイドに分けて配置することが多くなるかもしれない。これはもう一つの根拠として挙げた小田の役割とも密接に関わってくる。最近の小田の振る舞いを見ていると昨年、とりわけ鈴木が卒業するまでと比較するとポジショニングが低くなっている傾向がある。例えばサイドの高い位置に張ってビルドアップ隊(主に石田)からのロングボールに抜け出すような場面は明らかに少なくなった。鈴木が抜けたことによってDFラインの強度が低下したことや、小田自身のビルドアップ局面での技術向上もあってサイドバックというよりもCBとしての色が濃くなってきている。守備面での安定感はもちろん攻撃面でもビルドアップの基点として機能する小田の存在感は絶大だ。モーニング娘。の右サイドはサイドバックの小田とサイドアタッカーの譜久村で長らく不動のポジションだったが、この2点によって変わってきそうな気配だ。譜久村も本来は中央寄り(セカンドトップ)がベストポジションのメンバーなのでこの変化はポジティブに捉えられる。

・従来の4-2-3-1

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・新型の3-4-2-1?

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牧野と野中が評価を高める一方でやや遅れを取った印象の尾形と羽賀も虎視眈々と下克上を狙う。尾形はポジジョンの重なる飯窪と石田がチームの戦術的な要として不動の地位を築いているため、厳しい争いを強いられている。連動した組織の中でプレーするよりも、ある程度タクトを握らせた方が個性を発揮出来るタイプのMFであるという事情も苦戦の理由の一つだろう。味方を使う意識や背後のカバーを信頼して飛び出していくなどプレーの幅を身に付けることが出来れば個人能力は低くないため躍進への道も開けるはずだ。タイプ的にはアスリート型の石田よりもテクニシャン型の飯窪との対比がしやすいが、メンバーからの信頼性や経験で上回る飯窪は高い壁となるだろう。羽賀は加入当初は絶対的なエースとして君臨していた鞘師、現在は新メンバーの横山(あるいは牧野)とのポジジョン争いを展開するCFだ。積極的なアクションで中央に留まることなくボールに関与するタイプの牧野と横山に対して、羽賀は基準点型のストライカーだ。そのため棲み分けは出来ているので尾形と違い本人次第の部分が大きい。懐の深いキープからのポストプレーや、得点への嗅覚などといった能力ではライバルにも引けを取らない。年齢的にもまだ伸びしろを多く残すが限られた機会を最大限に活かすべくコンディション面も含めたしっかりとした準備が必要になってくるだろう。

9・10・11期の先輩グループでは個人的には生田に注目している。リスクを恐れずに1対1を仕掛ける役割は道重リーダー期までは生田の専売特許(ある意味では鈴木もだが)であった。ただ前述のように野中と牧野という新鋭が出てきたこともあって、そういったプレーが生田に求められる頻度は減少傾向にある。とは言え生田も充実度を増しており今年20歳を迎えるというアイドルのピーク(技術よりも素質の部分で)に差し掛かりつつある。かつての攻撃性を取り戻して野中と牧野に真っ向から勝負するか、あるいは仕掛け以外の面でもチームに貢献する多様性を身に付けるかというプレースタイルの岐路に立っている。

システム変更によってCFの背後(セカンドトップ)に定着しそうな譜久村と工藤だが、4-2-3-1時からライン間でのプレータイムが多かった二人だけに大きく役割が変わることはなさそうだ。今や押しも押されもしないチームの大黒柱へと成長した譜久村はサイドでの仕事が減って中央での仕事が増えればより得点へと直結するプレーが増えそうだ。CFをサポートしながら工藤や石田とのコンビネーションによる崩しはイメージしやすい。工藤は4-2-3-1のトップ下ではポゼッションを高めるためにポジジョンを下りることが多かったが3バック導入で攻撃の最終局面での関与が要求される。後方から楔の縦パスをライン間ポジショニングで引き出し、ラストパスやサイドへの展開で動きを付ける。ストライカー勢(譜久村、牧野、羽賀、横山)との相性の良さも随所に感じさせるので注視したい。


あとがき
13期が入る前からその兆候はあったけどなんかコンテのチェルシーみたいになってきているなと感じている今日この頃。牧野のウイングバック起用もそうだし3バックはかなりの冒険だけど小田、加賀、佐藤なら上手くやれそうでもあるので楽しみである。ある程度3CBが形になれば飯窪と石田(または尾形)の攻撃への比重が高まり多彩な崩しも実現出来そう。ちょっと綺麗にやり過ぎてるなと感じてる部分もあったのでいい意味でハチャメチャになればなと。

つばきファクトリーのFirst Impression

いよいよメジャーデビューを果たしたというタイミングでもあるので今回はつばきファクトリーについて分析していきたいと思います。まだ判断材料が少ないので予測も含まれますがやってみましょう。


基本システムと配置

2015年4月に小片リサ山岸理子新沼希空、谷本安美、岸本ゆめの浅倉樹々の6人で結成されたつばきファクトリー。2016年8月に小野瑞歩、小野田紗栞、秋山眞緒の3人が新メンバーとして加入し9人体制となったことに伴い谷本が左サイドハーフ、小片が左サイドバックにそれぞれポジションを1列下げる形になったもののシステムはオーソドックスな4-4-2を継続している。なお、9人のためCBを1枚削った図のような配置が基本になっている。

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4-4-2というシステムを採用しているのは現在のハロプロでは唯一、というか過去を遡ってみても記憶にない珍しい布陣である。トップ下を置く4-3-1-2が近年のハロプロで流行しているということは何度かこのブログでも言及してきたけど、つばきファクトリーにはトップ下タイプが存在しない。その代わりに優秀なサイド適性のメンバーが揃っているというのは時代に逆行しているようで興味深いチームになっている。ただ、構造を見ていくと他ユニットのエッセンスを随所に感じられる部分もある。つまりはシステムや配置は重要ではないという元も子もない結論になるのだけど。


ビルドアップスタイル

つばきファクトリーのメンバーにはトップ下の他に明確な司令塔タイプのメンバーも見当たらない。そもそもチームとしてもボールを保持する、ポゼッションするという意識はそこまで高くないというか重要視していないように映る。そのため個人に依存するよりも素早くサイドに展開してからのサイドアタックを基調としながら2トップの得点力を活かすなど前線のプレー機会を増やすことを優先しているように感じる。こういったコンセプトそのものは今のハロプロだとアンジュルムに少し近いものがある。

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基本的なビルドアップの形は3-2、前線は4トップのように変化する。攻撃の基点となるのは右セントラルMFの山岸と左サイドバックの小片というリーダー、サブリーダーコンビ。積極的な攻撃参加が特長である右サイドバックの秋山が空けたスペースに山岸が下りる、山岸が空けたスペースには右サイドハーフの岸本が入ってくる。このサイドバックセントラルMFサイドハーフによるポジションチェンジはモーニング娘。小田さくら石田亜佑美譜久村聖のトリオも頻繫に行っていた。モーニング娘。も新メンバーが加入して個々の役割や配置の変化があるかもしれないので過去形にしておく。ただあくまでも動かし方が同じだけであってつばきファクトリーの3人とモーニング娘。の3人は全くタイプは違うけども。高めの位置に張り出す秋山とは対称的に左サイドバックの小片はそこまで攻撃的なポジショニングは取らない。基本配置における中央の3枚(小野、山岸、新沼)はビルドアップ能力がそれほど高くないこと、前方の谷本が守備面にやや難があることを考慮すると低めの位置で組み立てに関わりながら同時に守備のリスク管理も出来るというこの役割がベターと言える。ちなみに片方のサイドバックを上げてもう一方のサイドバックは低めの位置やセントラルMFのエリアに入るスタイルもモーニング娘。アンジュルムこぶしファクトリーでも見られるトレンドである。ビルドアップのメインは小野も含めた3枚のCBで回しながら両脇のCB(山岸、小片)から外(秋山、谷本)か内(岸本、新沼)の二択で敵サイドハーフに迫る。また、前線へのロングボールも選択肢に含まれる。狙いは主に小野田か谷本であることが多い。


メンバー個々の雑感
山岸理子(1998年11月24日生まれ) 対応ポジション:セントラルMF、CB
フィジカル能力に秀でチームの安定に貢献しながら、独特なリズムを刻むパスで基点にもなるリーダー。攻撃的とも守備的とも分類しにくいタイプなので4-4-2のセントラルMFは合ってるかもしれない。この先の展開次第ではCBへの配置転換もあり得そう。

小片リサ(1998年11月5日生まれ) 対応ポジション:サイドバックサイドハーフセントラルMF、CB
こぶしファクトリー広瀬彩海井上玲音と同じくこんな掘り出し物がいたのかという印象。サイドでも中央でもプレー可能で、技術もある。個人としてのタイプ的には全然似てないけどチーム内で担っている役割の重さは℃-uteにおける岡井千聖に近い。

新沼希空(1999年10月20日生まれ) 対応ポジション:セントラルMFサイドハーフ
山岸と同様にカテゴライズは非常に悩むセントラルMF。基礎はしっかりしてるので現段階でチームでの立ち位置が明確には見えないのもポテンシャルとしてポジティブに考えれば問題ないと思う。こぶしファクトリー和田桜子にも同じことが言えるけど。

・谷本安美(1999年11月16日生まれ) 対応ポジション:セカンドトップサイドハーフ、CF、ウイング
6人時代は浅倉と2トップを形成していたが小野田の加入でサイドハーフに。スピードと局面打開力に優れているのでサイド向きかも。右で作って左で仕留める形が増えそうなのでFW仕事もこなせるのは貴重。モーニング娘。での牧野真莉愛の仕事みたいな。

岸本ゆめの(2000年4月1日生まれ) 対応ポジション:サイドハーフセントラルMFサイドバック
年始の注目メンバーにも挙げたように個人的にはキーパーソン。小片と同じくポジションを問わない戦術的柔軟性を備えている。ポジショニングやパスでチームの機能性を上げるだけでなく、個人で仕掛けることも出来る万能型で期待値は相当に高い。

浅倉樹々(2000年9月3日生まれ) 対応ポジション:CF
典型的なボックスストライカー、いわゆる9番タイプである。6人体制だと依存度が高まりそうだと心配していたけど小野田の加入でそれも解消されそうで安心した。個々としても着実にレベルアップしているのでエースとして頑張ってもらいたい。

・小野瑞歩(2000年9月29日生まれ) 対応ポジション:CB、セントラルMF
山岸と新沼のセントラルMFコンビの後方でプレーするCBと現段階では見ているけど、山岸とどちらがCB向きなのかは正直まだ判断が完全には付いていない。ビルドアップや守備面でどちらか存在感を示すのかによって変わってきそうなポイント。

・小野田紗栞(2001年12月17日生まれ) 対応ポジション:セカンドトップ、CF、サイドハーフ
チームにとって彼女の加入はとても大きかったと思う。個人のクオリティーの高さはもちろんだけど浅倉と谷本の良さを消さずに共存して、幅広い仕事も出来るFW。トップ下がいないチームだけにそのエリアに出てこないかなと期待している。

・秋山眞緒(2002年7月29日生まれ) 対応ポジション:サイドバックサイドハーフ
身体能力が高く、果敢なオーバーラップが持ち味の新星。ちょっと元アンジュルム田村芽実を彷彿とさせるサイド型で、早くも重要なポジションをチーム内で得ていることからも才能の豊かさが窺い知れる。年齢からしてもスター候補生と言える。


ひとりごと
とりあえず現時点ではこのぐらいの印象です。チームとしての設計や今後のポテンシャルでは個人的にはこぶしファクトリーよりも上です。個々のレベル(特に主力)はこぶしの方が高そうだけども。この9人のままで行ければなかなか楽しい将来になりそうです。

℃-uteと嗣永桃子の後継者候補を探してみよう

気が付けばあっという間に2月も半ばになってハロプロキッズ時代の終わりも刻一刻と近付いてきました。というわけでそろそろ℃-ute嗣永桃子、6人の後継者候補をそれぞれ考えてみようと思って書いてみました。ちなみに後継者候補に挙げるのは20歳以下のメンバーに限定しました。


矢島舞美(1992年2月7日生まれ) 対応ポジション:トップ下、セカンドトップサイドハーフ

特筆すべき三大長所

  • 圧倒的なスプリント能力
  • 仕掛け/崩しにおける創造性
  • 心身両面におけるタフネス

【後継者候補トップ3】

  1. 譜久村聖(モーニング娘。'17/1996年10月30日生まれ)
  2. 浜浦彩乃(こぶしファクトリー/2000年4月26日生まれ)
  3. 船木結(カントリー・ガールズ/2002年5月10日生まれ)

ハロプロ史上でも屈指のスプリント能力と創造性に満ちたアタックで魅せたクオリティー面の高さだけでなく、自己犠牲を厭わないチームスピリットといった精神面でも"違い"を作っていた矢島。その後継者として真っ先に名前が挙がるのはモーニング娘。のリーダーにしてハロプロのサブリーダー就任も決まった譜久村だろう。個人での局面打開力では矢島に及ばないものの、周囲との即興的なコンビネーションプレーや得点に直結する動き出しの質では上回る。総合力の高いアタッカーでチーム全体のバランスを保証する点も貴重だ。譜久村に続くのはこぶしファクトリーの浜浦で2列目中央(トップ下)を得意とする点や恵まれた体躯など矢島との共通点も多い。船木はドリブラーとしての素質がより強いが仕掛け/崩しからフィニッシュまで幅広い貢献が期待出来るだけでなく年齢的にもまだまだ伸びしろを多く残す注目株だ。


中島早貴(1994年2月5日生まれ) 対応ポジション:CB、セントラルMFサイドバック

特筆すべき三大長所

  • カバーリングを始めとしたポジショニングの正確さ
  • ビルドアップでの高い貢献度
  • パフォーマンスの安定感

【後継者候補トップ3】

  1. 山木梨沙(カントリー・ガールズ/1997年10月14日生まれ)
  2. 山岸理子(つばきファクトリー/1998年11月24日生まれ)
  3. 加賀楓(モーニング娘。'17/1999年11月30日生まれ)

派手さはないものの堅実なパフォーマンスとインテリジェンスに富んだプレーでチームの屋台骨を支え続けた中島の系譜に連なるメンバーでは6月の嗣永卒業後にカントリー・ガールズの舵取り役としての責任が一層増していきそうな山木が筆頭候補として挙げられる。危機察知能力とスペースを埋める感覚に長け中盤でフィルターとしての役割を高次元でこなすだけでなく、正確なパスワークで攻撃の基点としても機能する。つばきファクトリーのリーダーである山岸はキャリア前期の中島を彷彿とさせるキャラクターの持ち主で、精神面での成長次第では中島のように確変する未来も見込める。念願のトップ昇格を果たした加賀はストッパータイプのCBで、研修生時代に見せていたリーダーシップをモーニング娘。でも発揮出来れば新時代のハロプロを牽引する存在にも成り得るポテンシャルを秘める。


鈴木愛理(1994年4月12日生まれ) 対応ポジション:セカンドトップ、CF

特筆すべき三大長所

  • 傑出した得点感覚
  • 変幻自在のポジショニング
  • 一瞬でトップギアに入る加速性能

【後継者候補トップ3】

  1. 宮本佳林(Juice=Juice/1998年12月1日生まれ)
  2. 牧野真莉愛(モーニング娘。'17/2001年2月2日生まれ)
  3. 佐々木莉佳子(アンジュルム/2001年5月28日生まれ)

℃-uteのみならずこの5、6年はハロプロエースとしての重責を担い、その称号に恥じない圧巻のパフォーマンスで先頭を走り続けてみせた鈴木。偉大なその先達に続くのは18歳というアイドルとしての充実度を増していく年齢に差し掛かり一層凄みを増している宮本を置いて他にないだろう。シュートの決定力やドリブルでの単独突破などアタッカーとしての総合力では現時点でも鈴木に匹敵しており、今後は大舞台での経験や勝負強さを身に付けていけば数年に渡りハロプロの象徴としての座を手中に収めるはずだ。宮本に次ぐのは昨年のセンター起用が示すように飛躍的な成長曲線を描いている最中の牧野だ。今やハロプロ全体で見ても屈指のスピードスターであり、ミスを恐れないプレーの積極性には大きな価値がある。佐々木は牧野と比較するとよりCF色が強く、天性のゴールセンスを備える9番タイプだ。


岡井千聖(1994年6月21日生まれ) 対応ポジション:サイドバックセントラルMFサイドハーフ

特筆すべき三大長所

  • 絶えずアップダウンを繰り返す運動量
  • ドリブルによる局面打開
  • 中盤にも対応する戦術的柔軟性

【後継者候補トップ3】

  1. 室田瑞希(アンジュルム/1998年6月12日生まれ)
  2. 藤井梨央(こぶしファクトリー/1999年3月4日生まれ)
  3. 小片リサ(つばきファクトリー/1998年11月5日生まれ)

ハードワークを絶やさない無尽蔵のスタミナとパスやドリブルによる局面打開に加え、中盤センターにも難なく対応する戦術的柔軟性の高さで不動の地位を築いた岡井。ハロプロ史上最高とも評価出来るサイドバックを追うのは攻撃的なスタイルと独力での突破力に共通点を見出せる室田が可能性を感じさせる候補者だ。アンジュルムでの現在の役割はやや固定気味だが、メンバー変動の絶えないチームだけに今後の展開次第では中盤へのコンバートも考えられる。備えているキャラクターを考慮すると最も岡井に近いと言える藤井は攻撃面での関与の幅を増やしていくことが課題で、こぶしファクトリーにとってもその存在感が増すことの意味は大きい。小片は前述の2人よりもバランサー型でタイミングを心得た攻撃参加や足元の技術も高く、メジャーデビューを控えるつばきファクトリーの命運を握る1人だ。


萩原舞(1996年2月7日生まれ) 対応ポジション:トップ下、セカンドトップ

特筆すべき三大長所

  • ポゼッションプレーへの関与と質
  • 敵2ライン間でのポジショニングセンス
  • 得点能力の高さ

【後継者候補トップ3】

  1. 上國料萌衣(アンジュルム/1999年10月24日生まれ)
  2. 梁川奈々美(カントリー・ガールズ/2002年1月6日生まれ)
  3. 森戸知沙希(カントリー・ガールズ/2000年2月19日生まれ)

ポジションを巧みに移動しながらパスワークに絡んでポゼッションを円滑にし、機を見てゴールを狙うシャドーストライカーとしての役割もこなしていた萩原。加入当初はCFで起用されていたものの笠原桃奈加入後はサイドにポジションを移し万能性の高さでも評価を上げているのが上國料だ。パフォーマンスの安定感や単独で仕掛けるプレーの頻度が増せばより脅威を与えられるアタッカーへと進化するだろう。最前線に位置しながら頻繁に中盤に下りて抜群のキープ力とパスセンスを武器にカントリー・ガールズの"偽9番"として独自の存在感を誇示している梁川は嗣永の卒業をどう乗り越えるかがステップアップへの焦点になりそうだ。そのカントリー・ガールズで最大の得点源として機能する森戸は得点感覚やスピードを始め着実にクオリティーを高めているメンバーで合わせて注目していきたい。


嗣永桃子(1992年3月6日生まれ) 対応ポジション:セントラルMF、トップ下、サイドハーフセカンドトップ

特筆すべき三大長所

  • 破格のクリエイティビティ-
  • 正確無比のボールスキル
  • プレーの継続性

【後継者候補トップ3】

  1. 小関舞(カントリー・ガールズ/2002年2月10日生まれ)
  2. 工藤遥(モーニング娘。'17/1999年10月27日生まれ)
  3. 竹内朱莉(アンジュルム/1997年11月23日生まれ)

類稀なるプレービジョンとそれを実行可能にする超絶技巧の数々でハロプロの歴史に燦然と輝く足跡を残した嗣永。その寵愛を受けて後継者への道を歩んでいるのが小関だ。セントラルMFサイドハーフ、シャドー(セカンドトップ)と複数のポジションに対応し、どこで起用されても質を落とさないプレーの引き出しの多さは傑出している。ブレずに己を磨いていけば"嗣永二世"との評価を確立させられるはずだ。工藤はトップ下を本職とするよりオフェンスに特長のあるメンバーだがチームの潤滑油としての貢献度は相当に高く、チームのレベルを一段アップさせる波及効果も期待出来る。候補者の中では継続性という点で群を抜く竹内は完成度の高いセントラルMFだがどちらかと言えばテクニシャン型よりもアスリート型のセントラルMFであり、嗣永のようなインテリジェンスを披露する場面は多くない。


というわけで3人ずつ、計18人の候補者を挙げてみました。カントリー・ガールズは全員どこかしらに入りましたね。