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J's laboratory 2

ハロプロをフットボールに脳内変換してひたすら分析するブログです。

道重さゆみと鞘師里保、二枚看板を欠くモーニング娘。の現在・過去・未来~One and Only×2~

今回は道重さゆみの卒業と12期メンバーの加入を経て始動したモーニング娘。'15の変化、そして鞘師里保抜きで戦うこととなった来年以降のモーニング娘。についてあれこれ語っていきます。まずはワンフォーからワンファイブへの変化の過程から考察していきます。


モーニング娘。'14から、モーニング娘。'15への変化】

チームとしての基本的なコンセプトはワンフォー時代をほぼ踏襲していると表現していい。9、10、11期メンバーの9人をベースとしながら、12期メンバーの4人がオプションをもたらしている。

システムはワンフォー時代の4-1-4-1(4-3-3でもいい)から、4-2-3-1へと変わっている。ワンフォーはDFラインの前にアンカー(1ボランチ)として配置されたリーダーの道重さゆみと、最前線に1トップとして配置されたエースの鞘師里保という個人能力の高い2人を最大限に活かすための組織が形成されていた。そのため戦術的な幅としては決して引き出しの多いチームではなかったが、徹底されたコンセプトの元で非常に完成度の高いチームとなっていた。

翻ってワンファイブは道重の卒業によって中盤の底から長短のパスを使い分け全体を動かすことの出来る絶対的な司令塔を失ったことで、後方から人数をかけてショートパスを多様し丁寧に攻撃を組み立てていくスタイルへの変化が見て取れる。

ポゼッション志向の強いチームという側面に変わりはない。4人のDFラインと1トップに鞘師を置くというのも同様であり、違いは中盤の並びにある。ワンフォー時代はアンカーに道重、2列目は右から譜久村聖石田亜佑美飯窪春菜工藤遥という配置だった。これがワンファイブではセントラルMFに飯窪と石田、二列目の右に譜久村、トップ下に工藤、左に12期メンバーの牧野真莉愛(または生田衣梨奈)という形になっている。

モーニング娘。’15の基本布陣(4-2-3-1)
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中盤の中央のポジションであるセントラルMFとトップ下、すなわち飯窪×石田×工藤の10期トリオがポゼッションの中心として機能している。それぞれが高度な技術とポジョニングセンスを備え、適切な距離感を保ちながら周囲とのパス交換から全体にリズムを生み出していく。

サイドハーフの譜久村はワンフォー時代においては持ち前の得点感覚を活かすためにサイドからダイアゴナルに裏のスペースへ抜け出し、ゴール前に進出するFW色の強いプレー(これはパスの名手であった道重の存在に依る面が大きかった)がメインであった。しかしリーダーとなったワンファイブではポゼッションに積極的に関与したり、ライン間で縦パスを引き出す、オーバーラップしたサイドバック小田さくらとの連携などプレーの幅を広げている。

逆サイドの牧野がいわばワンフォー時代の譜久村の役割を受け継いでいる。速さに恵まれた彼女は攻撃の最終局面でこそ能力を発揮するタイプのアタッカーであり、単独での打開力という点では譜久村よりも優れている。生田が起用される場合にはオープンな状況で足元にボールを入れ、そこから独力で仕掛けるプレーの頻度がより増える。ストライカーとしての素質も高い牧野に対して生田は完全なチャンスメーカータイプであるためだ。


ビルドアップはCBとセントラルMFの4枚、ボックス型で行われることが増えている。ワンフォー時代はワイドに開いたCBの間にアンカーの道重が下りて3バックに変化する形が多かったが、道重の卒業により個の能力に依存しない組織的な動きが目立つ。飯窪が落ちるケースも多いが道重のように全権を握るというよりは自身のポジショニングによって周囲に時間を与えるイメージで、2CBプラス1という印象である。飯窪のパートナーである石田はスペースへの意識が高く、前線への飛び出しだけでなくビルドアップにおいてもスペースを見つけてはオープンになりながらボールを供給する。飯窪や石田がポジションを変える動きに合わせてトップ下の工藤も必要に応じてポジションを下げることも多い。このように中央のゾーンに人数をかけてビルドアップを安定的なものにしつつ、小田と生田(または野中美希)の両サイドバックは高めに張り出して横幅を確保する。小田と野中は共に個人での突破よりも周囲とのコンビネーションで特長を出すタイプ。小田に関しては前方に位置する右サイドハーフの譜久村、右セントラルMFの石田との関係性は日増しに強固になっている印象だ。この3人でのポジションチェンジによる変化も大きな武器になっている。生田はウイング顔負けの突破力を持つ"超"が付くほどの攻撃的なサイドバックだ。戦術的規律には欠けるがリスクを恐れないプレースタイルは崩しの切り札になっている。またCBも左の佐藤優樹よりも右の鈴木香音が正確な技術を持っているため、右で作って左で仕掛けるというワンフォー時代からの図式は保たれている。

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攻撃の最終局面では生田のドリブルによる突破、牧野石田鞘師による裏のスペースへの飛び出し、飯窪石田工藤譜久村らによる密集でのパス交換からの打開、鞘師の個人能力を活かしたフィニッシュなどがメイン。守備の局面では工藤がポジションを下げて最前線に鞘師を残す4-5-1で自陣に撤退してコンパクトな守備組織を形成する。


モーニング娘。'16の課題】
エースにして最大の得点源でもあった鞘師の卒業は当然ながら痛恨である。4-2-3-1を引き続き継続するのであればおそらく鞘師が抜けたCFに入るのは羽賀朱音よりも牧野になることが多くなるのではないかと予想する。根拠としては鞘師の卒業によってチームにバランスを与えられる野中の戦力的価値がより高くなると見ていること。それに伴い彼女が左サイドバックの定位置を確保するとなると、生田は左サイドハーフでの起用が増えることになるはずである。となると牧野は最前線に置かれる可能性が来年以降は増すだろう、というもの。勤勉で実直なメンタリティー、スピードが武器でありロングカウンターでも機能し得るという鞘師にはなかった特長を持っているという面でも牧野が適任だろう。また守備面でも前線からの積極的なチェイシングも期待出来る。

牧野をCFで起用するとなるとこれまでのポゼッション重視のスタイルから、シンプルに縦に速いアグレッシブなスタイルへの移行も視野に入ってくるだろう。牧野だけでなく生田や工藤など前線には強さよりも速さに特長があるメンバーがメインとなるため、積極的に後方からもロングボールを使っていきたい。これまでにチームとして道重体制から培ってきたポゼッションによる遅攻と、前線のスピードや突破力を生かした速攻が織り交ざればより戦術的な幅を持ったチームへと進化出来るはずだ。とはいえ道重に続いてエースの鞘師を失うダメージはもちろん小さくない。チームが形になるまで相応の時間は必要だろうし、13期という選択肢も視野に入ってくるかもしれない。また尾形春水や羽賀の成長次第ではシステム変更も考えられる。

今後のキーパーソンを挙げるとすればまずは生田。ポジションが一列上がり守備の負担が減ること、CFが基準点型の鞘師からプレーエリアの広い牧野(または羽賀)に変わることで自身のストロングポイントである局面打開力がチームにとっても今以上に強みとなりえる可能性がある。個人的にはアイドルとしてのピークに差し掛かってくる頃だと踏んでいるので、覚醒を期待したいところだ。

そして、鈴木と佐藤のCBコンビ。今のモーニング娘。が過去のどの時代の陣容も上回れる可能性を秘めた最大の強みはこのレベルのCBを2枚揃えていることだと個人的に思っている。この両者が心身ともにベストコンディションを維持し、攻守において絶対的な存在感を示せるようになれれば心強いことこの上ない。モーニング娘。の命運を握っているポジションだと言っても過言ではないと思っている。

今回はこんなところで。最近はいろいろ変化がありすぎてあっという間に話題の旬が過ぎるので記事を書くのも難しいです。。。