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J's laboratory 2

ハロプロをフットボールに脳内変換してひたすら分析するブログです。

モーニング娘。'17 コンサートツアー春~THE INSPIRATION!~のプレビュー

いよいよ3月18日の開幕が目前に迫ってきたということで今回はツアーのプレビューとして個人的な注目ポイントを書いていきたいと思います。ツアー自体の、というよりはこれからしばらくの間みたいな感覚ですが。


結成20周年、新時代の礎を築けるか。

モーニング娘。にとって今年はグループ結成20周年というアニバーサリーイヤーである。現役メンバーの半数以上が1999年から2002年、俗に言われるチームの"黄金期"に生まれているという事実には隔世の感を禁じ得ないと同時にその歴史の深さを痛烈に感じさせる。現在のモーニング娘。は13人体制で活動しており9期メンバーの譜久村聖生田衣梨奈、10期メンバーの飯窪春菜石田亜佑美佐藤優樹工藤遥、11期メンバーの小田さくら、12期メンバーの尾形春水野中美希牧野真莉愛羽賀朱音、そして昨年12月に加入したばかりの加賀楓と横山玲奈の13期メンバーという陣容になっている。加入と卒業を繰り返していくチームの伝統ゆえに致し方ない面はあるが2014年の道重さゆみ、2015年の鞘師里保、そして昨年には鈴木香音が相次いで卒業。いずれのメンバーもリーダー、エース、ムードメーカーとしての働きが際立っていたチームのセンターラインとも表現出来る人材でありダメージはもちろん小さくない。しかし多くの経験を積んで円熟味を増してきた9・10・11期、チームにもフィットし各々の分野で存在感を示し始めた12期、大型新人との評判高い13期コンビとピースは揃った印象もある。すぐさま黄金期や道重リーダー期のような完成度を求めるのは時期尚早だが、そう遠くない未来に再び後世に語り継がれる偉大な時代を築ける可能性は十分に秘めていると考える。間もなく幕を開けるこのツアーをその礎と出来るかが焦点になってくるはずだ。


ツアーの注目ポイント

最大の注目はやはり初のツアー参加となる13期メンバーの2人に集まるだろう。4年という長い下積み期間を経て念願のデビューを掴んだ加賀と研修生加入から僅か3ヶ月でのスピード昇格となった横山というコントラスト、またそれぞれの持ち味は相反する点が多いもののそれがコンビとしての補完性の高さに繋がっており彼女達への期待値は日に日に増している印象だ。ポジジョン的には加賀が鈴木、横山が鞘師と重なるがメンタリティーではその逆とも判断出来ることから両者の総合力で鞘師と鈴木の穴を埋めるような存在への飛躍が望ましい。
また腰椎椎間板ヘルニアの為に戦線離脱していた佐藤が本ツアーから復帰することが決定したのも大きなニュースだ。パフォーマンス面だけでなくチームの調和を左右する意味でもカギを握るこの天才が戻ることでいよいよ本格始動する13人体制でのモーニング娘。'17がどのような表情を見せるのか。
その佐藤も含めた近年チームの主力となっている5人(譜久村、石田、佐藤、工藤、小田)に追随していくメンバーは誰になるのか。飛ぶ鳥を落とす勢いの牧野を筆頭に熾烈なアピール合戦が展開されるのは間違いない。


戦術的にも大きな改革の波が・・・

さて、ここからはいつもの調子でもう少し深くチームの構造について語っていきたい。これまでに何度も書いてきているように現在のモーニング娘。は4-2-3-1を基本システムとして採用している。まだ佐藤が入った完全な状態のチームを見ていない現状では予想の域を出ないが、最近のモーニング娘。からはシステム変更の兆しが伺える。その根拠として大きいのは野中と牧野の12期コンビが仕掛け/崩しの局面において不可欠な存在へと成長していること、もう1点は小田の主に攻撃面における役割の変化にある。個人によるドリブル突破やオフ・ザ・ボールでの飛び出しなど自らのアクションで状況の打破を目指すプレーにおいて強烈なアピールを続けているのが野中と牧野だ。牧野に関しては元来より持ち合わせているストロングポイントであり、昨年のセンター起用などからも一定の評価を勝ち得ていることは明白だろう。圧倒的なスピードと明確な自分の形を持った仕掛けは大きな武器だ。野中は13期加入が刺激になったのか独力で仕掛ける頻度が増え、フィジカル面でも着実な進歩を見せている途上だ。スペースへの嗅覚も優れているためオフ・ザ・ボールでも脅威となる。この二人の存在は全体のパワーバランスを変えそうでこれまでは野中が左サイドバック、牧野が左サイドアタッカーと同サイドでの起用がメインだったが両者の局面打開力を最大限に発揮させるためには左右のサイドに分けて配置することが多くなるかもしれない。これはもう一つの根拠として挙げた小田の役割とも密接に関わってくる。最近の小田の振る舞いを見ていると昨年、とりわけ鈴木が卒業するまでと比較するとポジショニングが低くなっている傾向がある。例えばサイドの高い位置に張ってビルドアップ隊(主に石田)からのロングボールに抜け出すような場面は明らかに少なくなった。鈴木が抜けたことによってDFラインの強度が低下したことや、小田自身のビルドアップ局面での技術向上もあってサイドバックというよりもCBとしての色が濃くなってきている。守備面での安定感はもちろん攻撃面でもビルドアップの基点として機能する小田の存在感は絶大だ。モーニング娘。の右サイドはサイドバックの小田とサイドアタッカーの譜久村で長らく不動のポジションだったが、この2点によって変わってきそうな気配だ。譜久村も本来は中央寄り(セカンドトップ)がベストポジションのメンバーなのでこの変化はポジティブに捉えられる。

・従来の4-2-3-1

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・新型の3-4-2-1?

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牧野と野中が評価を高める一方でやや遅れを取った印象の尾形と羽賀も虎視眈々と下克上を狙う。尾形はポジジョンの重なる飯窪と石田がチームの戦術的な要として不動の地位を築いているため、厳しい争いを強いられている。連動した組織の中でプレーするよりも、ある程度タクトを握らせた方が個性を発揮出来るタイプのMFであるという事情も苦戦の理由の一つだろう。味方を使う意識や背後のカバーを信頼して飛び出していくなどプレーの幅を身に付けることが出来れば個人能力は低くないため躍進への道も開けるはずだ。タイプ的にはアスリート型の石田よりもテクニシャン型の飯窪との対比がしやすいが、メンバーからの信頼性や経験で上回る飯窪は高い壁となるだろう。羽賀は加入当初は絶対的なエースとして君臨していた鞘師、現在は新メンバーの横山(あるいは牧野)とのポジジョン争いを展開するCFだ。積極的なアクションで中央に留まることなくボールに関与するタイプの牧野と横山に対して、羽賀は基準点型のストライカーだ。そのため棲み分けは出来ているので尾形と違い本人次第の部分が大きい。懐の深いキープからのポストプレーや、得点への嗅覚などといった能力ではライバルにも引けを取らない。年齢的にもまだ伸びしろを多く残すが限られた機会を最大限に活かすべくコンディション面も含めたしっかりとした準備が必要になってくるだろう。

9・10・11期の先輩グループでは個人的には生田に注目している。リスクを恐れずに1対1を仕掛ける役割は道重リーダー期までは生田の専売特許(ある意味では鈴木もだが)であった。ただ前述のように野中と牧野という新鋭が出てきたこともあって、そういったプレーが生田に求められる頻度は減少傾向にある。とは言え生田も充実度を増しており今年20歳を迎えるというアイドルのピーク(技術よりも素質の部分で)に差し掛かりつつある。かつての攻撃性を取り戻して野中と牧野に真っ向から勝負するか、あるいは仕掛け以外の面でもチームに貢献する多様性を身に付けるかというプレースタイルの岐路に立っている。

システム変更によってCFの背後(セカンドトップ)に定着しそうな譜久村と工藤だが、4-2-3-1時からライン間でのプレータイムが多かった二人だけに大きく役割が変わることはなさそうだ。今や押しも押されもしないチームの大黒柱へと成長した譜久村はサイドでの仕事が減って中央での仕事が増えればより得点へと直結するプレーが増えそうだ。CFをサポートしながら工藤や石田とのコンビネーションによる崩しはイメージしやすい。工藤は4-2-3-1のトップ下ではポゼッションを高めるためにポジジョンを下りることが多かったが3バック導入で攻撃の最終局面での関与が要求される。後方から楔の縦パスをライン間ポジショニングで引き出し、ラストパスやサイドへの展開で動きを付ける。ストライカー勢(譜久村、牧野、羽賀、横山)との相性の良さも随所に感じさせるので注視したい。


あとがき
13期が入る前からその兆候はあったけどなんかコンテのチェルシーみたいになってきているなと感じている今日この頃。牧野のウイングバック起用もそうだし3バックはかなりの冒険だけど小田、加賀、佐藤なら上手くやれそうでもあるので楽しみである。ある程度3CBが形になれば飯窪と石田(または尾形)の攻撃への比重が高まり多彩な崩しも実現出来そう。ちょっと綺麗にやり過ぎてるなと感じてる部分もあったのでいい意味でハチャメチャになればなと。