J's laboratory 2

ハロプロをフットボールに脳内変換してひたすら分析するブログです。

ハロプロ各グループの攻撃メカニズム(こぶしファクトリー×4-3-1-2編)

連載シリーズ第2弾はこぶしファクトリーです。


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■基本コンセプト
こぶしファクトリーのシステムは中盤が菱形の4-3-1-2。Juice=Juiceや初期6人体制時のカントリー・ガールズも採用していた近年のハロプロトレンドとも言える形だ。ここでいきなり少し本題から外れるがなぜ4-3-1-2が流行しているのかを考えてみる。一番の要因はおそらく純粋なサイドアタッカーが減少していること、それに反して優秀なセントラルMFが多く生まれていることにあるだろう。この数年で一気に50人を超える大所帯となったハロプロだがサイドアタッカーとして分類出来るメンバーは非常に少ない。サイドも出来るけど、というメンバーはとても多いけれど。サイドハーフまたはウイングを本職とするのは牧野真莉愛(モーニング娘。'17)、船木結(カントリー・ガールズ)、岸本ゆめの(つばきファクトリー)ぐらいだろう。
話をこぶしファクトリーに戻すとリーダーの広瀬彩海(ベストポジションはCBだが)と野村みな美というクオリティーの高いセントラルMFに加えて攻撃陣にもトップ下の浜浦彩乃とCFの井上玲音が揃い中央のポジションに優秀なメンバーが多いこと、また攻撃的なマインドを持つサイドバックを2枚(田口夏実藤井梨央)持っている戦力的な理由からも4-3-1-2が最適なシステムとして導き出せる。チームの方向性としては個に依存するよりも全体のバランスを保ちながら局地的に数的優位を形成して局面を打開していく方向性が強い。


■攻撃メカニズムの具体例

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ビルドアップはアンカー(DMF)の広瀬と右インサイドハーフの野村、ここに左インサイドハーフ和田桜子か左サイドバックの藤井を加えた3枚で行われることが多い。広瀬と野村は敵陣深く攻め込むことはごく稀で、低めの位置でビルドアップの基点として機能しながらフィジカル面での強さとスペースを埋める動きなどで守備の安定に貢献する役割がメインとなる。全体としての仕掛け/崩しの方法論はサイドでの数的優位アタックと敵アンカーの両脇のスペースを狙うというもの。右サイドではウイング並の高いポジショニングを取る田口で対面する敵左サイドバックを、田口の空けたスペースに野村が流れることで敵左インサイドハーフのマークを引き付ける。その間のスペースで中央からサイドに流れてくるセカンドトップ小川麗奈がボールを受ける場面が多い。または小川の動きで敵左サイドバックを引き付けて田口が受ける。ここからトップ下の浜浦やCFの井上が連動して崩していく。左サイドでは藤井と和田がポジションチェンジを繰り返しながらマークのズレ(敵右インサイドハーフを動かす)を誘発する。ここに浜浦か井上が加わると左サイドでも数的優位を形成出来るが右サイドと比較すると現時点では散発的だ。全体の評価としてはメンバーの平均年齢も低くメジャーでの経験も少ないながら"戦闘能力"の高いメンバーが揃っており、その足し算がチーム力にも直結している印象だ。基本的には広瀬・野村、藤井・和田桜、田口・小川、浜浦・井上がそれぞれセットで成り立っている。個々のキャラクターや攻守における姿勢など随所にBerryz工房のエッセンスを感じさせるのも興味深いところだ。


■注目したいメンバー
現在15歳という若さながら既に完成度の高いCFとして攻撃の中心にいるのが井上だ。速さと強さを兼ね備えるだけでなく時折見せる変幻自在かつ効果的なポジショニングは現ハロプロエースである℃-ute鈴木愛理を彷彿とさせる。鈴木に比べるとよりストライカー色が強いが、その後継者候補としても有力な存在になっていくだろう。リーダーの広瀬もCBとしてのクオリティーは相当に高く、佐藤優樹(モーニング娘。'17)や相川茉穂(アンジュルム)が相次いで離脱しているこのポジションにおいてその重要性は更に増している。