J's laboratory 2

ハロプロをフットボールに脳内変換してひたすら分析するブログです。

モーニング娘。のこれからを展望してみよう【戦術編】

それでは戦術編です。

【チームコンセプト】
以前の記事でも触れたが道重さゆみ鞘師里保という絶対的な個人能力を持った2人を失った以上、組織的な動きによるビルドアップや仕掛け/崩しなどでチームとしての幅をどれだけ作れるかが今後の焦点になるはずである。率直に言えば現役メンバー(卒業する鈴木香音を除いた11人)は歴代のOGとの比較では個人能力という点においては小粒に映る。現時点で自身のポジションにおいて将来的には第一人者と表現出来るレベルに至る可能性が高いのは佐藤優樹小田さくらぐらいだろう。無論こういった予測といったものは良くも悪くも裏切られることが多いのが実情で、チーム事情や運にも大きく左右されるもの。どんなに才能があっても大成しなかったメンバーならそれこそ枚挙に暇がない。

話を戻すと道重リーダー期に培ったポゼッションスタイルを基盤にしながら、鞘師の卒業によって基準点不在となった攻撃面を再構築する必要がある。どちらかといえば道重と鞘師(アンカーとCF)の存在から中央のゾーンが攻撃のポイントになっていたのがこれまでだが、現状ではサイドに人数を掛けながらポジションチェンジやスペースへの意識を強く持って崩すスタイルの方が合っているように感じる。ポゼッションによる遅攻やエースFWに依存するスタイルが出る傾向は少なくなっていくだろう。


【ビルドアップ】
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後方からの組み立て、ビルドアップは可能な限りCBとセントラルMFの4枚(ボックス型)で行う。高度な足元の技術に加えて視野の広さと展開を読む力に長けた、飯窪春菜石田亜佑美セントラルMFコンビが引き続き中心になるのはほぼ間違いない。ここにトップ下の工藤遥が絡んで展開を前進させていくのがセオリーとなっていたが、仕掛け/崩しの局面を考えると工藤が頻繁にポジションを下げるのは好ましくない。CFが基準点型の鞘師からムービング型の牧野真莉愛に変わったこともあり、中央の高いゾーン(敵2ライン間)が薄くなってしまうからだ。工藤と右サイドアタッカー譜久村聖は極力下がらずに後方からの縦パスを引き出して時間を創出したい。このような事情からセントラルMFの2枚に加えてCB、佐藤とおそらくは13期メンバーの1人が積極的にビルドアップに関与したい。新メンバーの貢献度が高ければ石田がポジションを上げることも多くなり、スペースへの飛び出しという彼女の武器を活かしやすい状況が生まれやすくなるだろう。セントラルMFは中継地点ポジション(敵2トップ間)に位置してCBに時間を与える、またはサイドバックの空けたスペース(敵2トップ横)から組み立てていきたい。この際、小田と野中美希の両サイドバックは高めの位置をとって相手を押し下げ、横に広げるポジショニングを取る。また、佐藤はドリブルで運ぶ攻撃参加に特長があるのでチームとして有効利用したいカードだ。

【仕掛け/崩し】
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最も重要なのは両サイドバックの特徴を全体で理解し、チームとして方法論に落とし込むことだ。小田と野中は共にフィジカル的な強さとスペースを埋める能力が高く守備面において計算が立ちやすい一方で、攻撃面では単独での突破や狭いスペースでの周囲との連携プレーを得意としていない。両者ともオフザボールでの動きでパスを引き出す役割により適性がある。小田はオーバーラップ(相手サイドバックの裏に大外から抜ける)が、野中はインナーラップ(相手の間を抜けてエリア内で受ける)が得意という違いがある。よく見られるのは石田(あるいは譜久村)が後方から小田へと長めのパスを通す形と、右サイドからのクロスに対して逆サイドの野中が飛び込んでいく形だ。攻撃が右に偏る現象は昨年から上昇傾向にある。右サイドでは前述した小田のオーバーラップ、小田・石田・譜久村が反時計回りにポジションチェンジする旋回の動き、ここにサイドに流れる牧野を使う形が浸透してきている。左サイドでは野中のインナーラップと、生田の単独突破がメイン。ワンフォー時代に比べるとシステム変更や道重の卒業もあって生田が仕掛ける頻度は減ってきているのは気掛かりだ。スペースを必要とするタイプなので陣形が逆サイドによるのはむしろ好都合。適切なタイミングでサイドチェンジからの1対1の状況を作る頻度を増やしていきたい。有機的な攻撃を増やしたいなら尾形春水を使う手(4-3-1-2への変更も考慮)も考えられる。工藤と譜久村は相手ブロックの内外でボールを受ける、または裏への抜け出しなど多様な働きが要求される。工藤は決定機へと直結するラストパス、譜久村は優れた得点感覚というストロングポイントをどれだけ発揮出来るかがポイントになる。またCFの牧野は幅広く動き回って後方からのパスを引き出す、また動くことによって生じるスペースを周囲が活用する役割が主になる。エリア内での仕事、フィニッシャーとしての機能を求めるなら羽賀朱音の起用を優先したい。

守備の局面では工藤と飯窪のポジショニングによって形を決める。工藤がCFと並ぶ4-4-2、飯窪がアンカーに入り工藤が石田と並ぶ4-5-1、さらに飯窪がCB間にまで落ちる5-4-1などを状況によって使い分けたい。前線にはスピードのあるメンバーが多いのでロングカウンターも狙う価値がある。

【今後のポイントを整理してみる】

①ビルドアップは極力ボックス型(CBとセントラルMF)で行う

②工藤と譜久村は敵2ライン間での仕事がメイン(ポジションを下げすぎない)

③小田と野中の両サイドバックを上手く使えるか

④左サイドアタッカーの生田(あるいは13期の誰か)が仕掛ける回数を増やす

⑤CF牧野は通用するか(個人としてもチームの枠組みの中でも)

ここらへんが焦点になりそう。もう少し縦に速いシンプルなスタイルでもいいと個人的には感じます。こんなブログ書いてて言うのもあれだけど、みんな難しく考えすぎなんじゃないかと思う昨今。アイドルグループの構造って難しいようですごく単純だったり、その逆だったりの堂々巡りなんですけどね。モーニング娘。界隈を見ていると最近強く感じることです。おしまい。

モーニング娘。のこれからを展望してみよう【戦力編】

今回から2回に渡って13期の人選も含めたこれから目指すべきモーニング娘。の理想形について書きたいと思います。めちゃくちゃ個人的な感じになりますけどごめんなさいね。

 

【まずは現状を整理してみよう】

昨年末にエースだった鞘師里保が卒業して、12人体制でスタートしたモーニング娘。'16。メンバーの怪我や体調不良などが重なりなかなか全員揃ってのパフォーマンスが叶わない前途多難な状態のなか、鈴木香音の5月31日での卒業が決まり通算何回目だろうかという正念場に立たされている。現在進行中である13期オーデの結果も気になるところではあるけど、まずは今いるメンバーを確認してみる。

 

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現行の4-2-3-1の維持を前提とすると鈴木が抜けるCBには飯窪春菜が下がり、セントラルMFには尾形春水が入るこの並びになるだろう。ここ最近の使われ方から判断するに現メンバーにおいて不動の主力と表現できるのは図に赤いマーカーで表記した5人(譜久村聖石田亜佑美佐藤優樹工藤遥小田さくら)だと感じている。佐藤と工藤は16歳、小田が17歳と将来性もある。譜久村と石田も年齢で衰えるタイプではないと個人的には見ているので、5年は言い過ぎにしても少なくとも3年程度はこの5人を軸にしてチームを作っていくのがベターだろう。その観点から言っても全員がベストポジション(最もその個性をチームに還元できる位置)で起用可能な4-2-3-1は継続するべきだと導き出せる。

 

【13期の人選について】

 ではそれを踏まえて13期にはどういった人材が欲しいのか。最大で4人だと思うので第4希望まで出します。

①ビルドアップ能力に長けたCB

②FW仕事もこなせるサイドアタッカー(逆でも可)

③フィジカル自慢のセントラルMF

④将来性重視のCB

以上が管理人の希望のタイプとなる。まず①は戦力的観点と戦術的観点の両面からして補強が必要不可欠だと断言してもいい。根拠としては単純に鈴木が抜けることで本職のCBが佐藤1人になってしまうこと。飯窪も対応出来なくはないがフィジカル能力に不安があることや、現在の石田とのセントラルMFコンビが2人の相性や補完性も含めて戦術的キーであるために崩すのは抵抗があることなどが挙げられる。ただ一方ではCBコンビ(鈴木と佐藤)のビルドアップにおける貢献度が低いためにセントラルMFに掛かる負担が大きいという現在のウィークポイントを解消するために飯窪をCBに置くプランも選択肢にあるかもしれない。その場合には代わりに石田と組むことになる尾形、あるいは13期が今後のチームを見るうえで指標となるメンバーになるだろう。新メンバーに求めるのは水準以上のフィジカル能力に加えてビルドアップにも積極的に関与出来るタイプが望ましい。現役で言えば山木梨沙(カントリー・ガールズ)や広瀬彩海(こぶしファクトリー)が理想に近い。

②は4-2-3-1で言うなら3の両サイドで起用可能なアタッカーとなる。現在は右に譜久村、左に生田衣梨奈(または牧野真莉愛)が配置されている。9期メンバーコンビの年齢や生田の得点力にやや不安があること、牧野の1トップ起用が増えていきそうなことを考えるとこのポジションにも新戦力を加えたい。理想としては高い得点感覚を備えたFW色の強いタイプで、SB(左なら野中美希)の攻撃参加を活かせる戦術的センスも持っているならベストだ。現役なら矢島舞美(℃-ute)や船木結(カントリー・ガールズ)がそのタイプと分類出来る。

③は①と関連性が高いが飯窪と石田の年齢がやや高めであることと、飯窪と尾形をテクニシャン型とするとアスリート型が石田だけであるため層に厚みを加えたいことが理由。竹内朱莉(アンジュルム)や稲場愛香(カントリー・ガールズ)のような人材なら文句無しだ。

④は佐藤のCFコンバートに対するプランだ。鈴木が抜けることも合わせると小田と共にDFラインの主力へと成長した佐藤のポジションを動かすのはあまりにリスクが高い。それが①とのダブル獲りでコンビを形成するCBが加入するなら枚数的には障害はなくなる、というわけだ。ただしチームの基盤であるCBを新人2人に任せるというのはかなりの冒険だろう。

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整理するとこのようになる。これが戦力編の個人的理想です。次回は【戦術編】をやります。

こぶしファクトリーの設計図(仮)

さて、今回は昨年末のレコード大賞最優秀新人賞に続いてオリコン週間チャート1位も獲得し勢い付くこぶしファクトリーについて。正直細かいところまでは把握出来てないので、ここでは大まかな構造だけ触れます。


システムは4-3-1-2を採用。こぶしファクトリーの場合は8人なので、CB2枚を抜いた形で構成されている。 メンバーの配置はサイドバックが右に田口夏実、左には藤井梨央。ダイヤモンド型の中盤は底に広瀬彩海、右インサイドハーフ野村みな美、左インサイドハーフ和田桜子、トップ下に浜浦彩乃。2トップは小川麗奈と井上玲音という配置になっている。

中盤の3セントラルMF(広瀬・野村・和田)はいずれも確かなテクニックを備えており、チームの安定に大きな貢献を果たしている。なかでもリーダーの広瀬は攻撃の方向付けに重要なプレービジョンと、強靭なフィジカルを持つ戦術上のキーパーソンである。インサイドハーフコンビはどちらかと言えば野村はバランスを重視して時には広瀬よりもポジションを下げながらリスク管理を意識、和田は隙間でボールを受けたり前線への飛び出しに特長があるタイプだ。

サイドバックの田口と藤井は共に攻撃的志向が強く、システムの構造においてサイドが薄くなりがちな4-3-1-2のサイドバックとしての適性はかなり高い。特長としては攻撃センスとコンビネーションによる崩しを武器とした田口と、ポジョニングセンスに長けていて状況に応じたプレーが出来る藤井という様相となっている。例えるなら田口はBerryz工房徳永千奈美、藤井は℃-ute岡井千聖に近いタイプのサイドバックである。

トップ下の浜浦は得点力に秀でているFW的な要素の強いアタッカーで、総合力の高さもあり複数の役割やシステムに対応可能だ。ただし独力で攻撃を完結させるタイプではないので、2トップや攻撃参加するインサイドハーフサイドバックとの連携が肝になる。

2トップは小川が横の動き、井上は縦の動きに強みがある。小川はサイドに流れてオーバーラップしてきた田口とのコンビネーションを生んだり、浜浦や和田が飛び込むスペースを作る動きに特長がある。井上は最前線から下りてきて中盤からの楔のパスを受けたりトップ下の浜浦とのコンビネーション、または裏へと抜け出しフィニッシュへと持ち込むプレーがメインとなる。

チーム全体の印象としては各ポジションで補完性の高い組み合わせが構築されている。それが安定感と戦術的な幅を生んでおり、時間を重ねれば更に質の高い組織へと進化する可能性を十分に秘めていると言えるだろう。広瀬、浜浦、井上の3人がチームの"背骨"として存在している意味は大きい。広瀬や野村を中心に後方からじっくり組み立てる遅攻と、前線トリオのスピードなどの個人能力を生かした速攻をハイレベルで両立出来るようになるとよりチームとしての完成度は増すだろう。

個人的にはこぶしファクトリーと田村芽実卒業後のアンジュルムは人数的にも配置的にも同じになるので比較していくのも面白いのかなと思ってたりします。

ヤンタンの定点観測(1/30 高木紗友希編)

ちょっと記事のネタに困っているのでラジオを聴いて感じたことをレポにしていこう、となんとなく思い立ちました。いつまで続けるのか、毎回書くのかは正直不明です。モー女もやろうかと考えてます。


ヤングタウン土曜日(ヤンタン)は明石家さんま村上ショージのベテラン芸人コンビ、現在は飯窪春菜工藤遥モーニング娘。コンビの4人に毎週ゲスト1人を迎える5人でやるのが基本である。飯窪と組んでいた鞘師里保が昨年末で卒業したことに伴い、今年から工藤が新レギュラーとなっている。


【同じ5人でも・・・】
今回のゲストは初登場となったJuice=Juiceの高木紗友希。管理人は普段の様子からして上手くやれるか少し不安だったが、結論から言えば及第点は与えられる内容だったと思う。

ご存知のようにJuice=Juiceも5人組である。JJでの高木の役割は低めの位置で金澤朋子と共にチームの基盤となり、前線の宮本佳林×植村あかり×宮崎由加のトリオをサポートすることがメインになっている。メジャーデビュー直前での大塚愛菜の脱退によって当初の3-1-2(4-3-1-2の最終ライン抜き)というプランを変更せざるを得なくなって以降、個々の成長は著しいものの組織としての熟成度には正直疑問が残るこれまでといった印象である。

その主な原因の一つとして高木のプレースタイルがある。2枚のセントラルMFの理想的な組み合わせはビルドアップの基準点となる司令塔タイプと、上下動が得意なボックストゥボックスタイプのペアが一般的である。金澤は典型的な前者であり、この役割にかけては道重さゆみが卒業して以降はハロプロ全体でもトップといえる実力者だろう。これに対して高木はフィジカル的資質においては屈指のクオリティーを誇りながら、攻撃面での貢献においては満足出来る働きを見せていないように映る。

前線への飛び出しや縦パス、オフ・ザ・ボールにおけるスペースメイクなどの戦術的なプレーにおいては同タイプの石田亜佑美(モーニング娘。'16)や竹内朱莉(アンジュルム)と比較すると後れを取っているように感じる。

もちろん高木だけに責任があるわけではないが中盤に張り付きがちの金澤と高木、前線に張り付きがちの宮崎と植村、その間で孤立気味の宮本という構図を解消しない限りはチームとしての向上は望み薄だろう。列の調整やポジションチェンジの動きが極めて少なく、定位置攻撃の頻度が高すぎるのは改善が必要。

話をヤンタンに戻すと基本的にはさんまが最前線で自由に動き回り、残る3人で中盤を構成するゼロトップスタイル。まだこの体制では数回しか放送がないので判断が難しいが、3人の中では工藤が前線に飛び出していく頻度が多い。工藤はモーニング娘。ではトップ下なので、日常に準じた動きとも言える。どちらにせよ3人のうち2人は後ろに残るので、中盤からの飛び出しは機能しやすいという下地がある。前線もさんましかいないのでスペースも十分にある、というのがJJと大きく異なる部分である。本来なら大塚が担う役割だったはずだが、今の5人体制においては高木が担うしかない。宮崎の中盤やサイドに流れる動きと併せて今後大きなキーポイントとなる指標だ。

ヤンタンでは初回補正もあるので次回以降どうなるかは分からないが、適性があることが分かったのは好材料だった。工藤とショージはサイドも出来るので4-1気味になることが多かった印象。ちなみにカントリー・ガールズの山木梨沙が初登場だった前回は今ひとつの内容だったがチームでの役割が飯窪と被りすぎていることや、縦への動きを得意としていないことが原因だと考えている。また全体のテンポが速いことも挙げられる。鞘師がレギュラーだったときはCFとして最前線(さんまよりも前)にいたため、鞘師に収まると一度タメが出来て流れをリセット出来る作用もあったので山木のようなタイプであれば昨年までの体制の方が活きた可能性が高い。あるいは植村や牧野真莉愛(モーニング娘。'16)のようなスピード自慢のFWなら計算出来そうである。

次回のゲストはこちらも初登場の野村みな美(こぶしファクトリー)。ポジション的にもチームでの役割的にも高木と被るので、上手くハマれば面白くなりそう。ただ工藤のサポートなどを含めて取っ掛かりのあった高木に対して野村にそこがあるかと言われれば微妙か。まだあまり彼女のことは知らないので興味深く聴こうと思います。

2016年注目のハロプロメンバー・5

あっという間に年明けから3週間経ってしまいましたが、今回は超個人的に今年注目しているハロプロメンバーを5人ピックアップしてみたいと思います。


牧野真莉愛(モーニング娘。'16)
昨年末にエースの鞘師里保が卒業、年明け早々に13期募集と激動のスタートとなったモーニング娘。'16である。チームとしての直近の課題はやはり鞘師の後継者問題ということになってくるだろうが、前々回の記事でも触れたように管理人が推すのは彼女だ。抜群のスピードと得点感覚を兼ね備える彼女は鞘師とはまったくタイプの異なるストライカーであり、チームに新たな表情をもたらすことが期待出来るはずだ。13期にどんな人材が入ってくるかに依る部分が現時点では大きいが、彼女ほどの素材を有効活用しない手はないだろう。ちなみに加賀楓段原瑠々が加入するなら佐藤優樹がCFにコンバートされる可能性が高いと見ている。なので、むしろ特長の重なりそうなメンバーが入ってくる方が彼女にとっては好都合なのかもしれない。

竹内朱莉(アンジュルム)
こちらも福田花音に続いて田村芽実が今春での卒業を発表するなど揺れているアンジュルムである。典型的なサイドアタッカーの田村が抜けることで、おそらく現行の4-2-3-1から4-3-1-2へとシステム変更が予想される。佐々木莉佳子と新メンバーの上國料萌衣のツートップを、リーダーの和田彩花が支える形だ。この攻撃陣の能力を引き出すためには中盤の"3"の働きが重要になってくるが、その中で縦へのダイナミズムと攻撃センスに長けた彼女の存在はとりわけ大きな意味を持つだろう。大器の片鱗を覗かせながらも発展途上な相川茉穂と、CFからのコンバートにより適応度合いが未知数な勝田里奈と形成されるこのトリオがどんな化学反応を起こすのか。アンジュルムの今後数年を占う重大テーマのひとつだろう。

宮本佳林(Juice=Juice)
実力者を数多く揃えハロプロの次世代を担うであろうと期待された1998年生まれの世代にあって、彼女と共にそれぞれ所属チームでエース級の活躍を見せていた鞘師と田村が相次いで卒業を決断。世代交代の渦中にあるハロプロで、この天才の早期における"ハロプロエース襲名"はもはや必須案件となってきている。所属するJuice=Juiceがチームとして軌道に乗り始めてきており、今年はいわゆる勝負の年を迎えるだろう。個人的には現状を冷静に分析したうえで判断するならその結果は明るいものにならないのではないかという予感がしているが、なんとしてでも乗り越えてもらわなければならない。下部組織が生んだ最高傑作とも謳われるその才能は、覚醒の時を迎えるのか。

藤井梨央(こぶしファクトリー)
最近のハロプロではすっかりスタンダードとなった4-3-1-2をこぶしファクトリーも採用している。このシステムでキーとなるのがサイドの広範囲を一人でカバーしなければならないサイドバックなのだが、こぶしファクトリーにおいては田口夏実と彼女がペアとなっている。リスクを怖れない積極的なオーバーラップを武器とする田口に対して、彼女にはここまではどこか大人しい印象を受けている。突破力やパス精度といった技術面だけでなく、ポジショニングなど戦術理解にも優れる彼女は岡井千聖の後継者に相応しい。こぶしファクトリーにはバランス感覚に長けたメンバーが多いので、もっと暴れ回っても損はないはずだが・・・。

・森戸知沙希(カントリー・ガールズ)
エースであった島村嬉唄の脱退というまさかの危機に直面したカントリー・ガールズにあって、彼女が果たした仕事は大きなものだった。5人体制では過剰な負担が懸念されていだか、船木結と梁川奈々美という新メンバーの加入によりその問題は一気に解消された。おそらくはこの3人で前線は固まると予想するが、今後の課題はそれぞれの役割分担がどのように為されて行くかにある。7人体制になったことによりBerryz工房と酷似してきた印象もあるが、Berryz工房菅谷梨沙子夏焼雅熊井友理奈という3人のアタッカーを擁していた。最もストライカー色の強い梁川が菅谷、万能タイプの船木を夏焼とすると彼女は熊井の役割に近くなるはずだ。早くもそうした兆候は見えてきているが、最終的にどのような形に落ち着くのか注目である。


パッと思い浮かんだのがこの5人でした。年末のベストテン企画で選びたくなるような活躍を期待してます。